武漢の違法代理出産施設を摘発、8人拘束 公立病院医師の関与も調査

中国湖北省武漢市の衛生当局は9月8日、同市黄陂区武湖街道の民家に設けられていた違法な代理出産施設を公安などと合同で摘発し、施設を封鎖したと発表した。公安当局は関係者8人を拘束し、施設で行われていた医療行為や関係者の役割について捜査している。

事件は、人身売買問題などを調査する民間ボランティアの上官正義氏が7日、交流サイト(SNS)に映像を投稿し、施設の存在を告発したことで明らかになった。武漢市衛生健康委員会は翌8日午後4時30分、公安などと現場を確認し、施設を封鎖したとの声明を公式サイトに掲載した。

同委員会は施設を「違法な生殖補助医療の地下実験室」と表現している。上官氏や複数の中国・香港メディアは、代理出産に必要な採卵や胚培養、胚移植を行う施設だったと報じている。現段階で当局は、拘束した8人の氏名、役割、容疑や、施設を利用した女性の人数、実施された手術の件数を公表していない。

民家に採卵室や胚移植室

施設は工場地帯に近い人目につきにくい民家にあり、周囲には林や池、荒れ地が広がっていた。内部は休憩区画、採卵室、胚移植室、胚培養室などに分けられ、複数のベッドや医療機器が置かれていたという。

施設には専用の車庫も設けられ、車が内部に入った後に扉を閉め、卵子提供者や胚移植を受ける女性が外部から見えない状態で降車する仕組みだったとされる。上官氏が9月7日に現場を確認した際には人はいなかったが、医療機器は使用可能な状態で、直近の手術記録とみられる台帳が残されていた。

上官氏は2025年10月ごろに施設の情報を得て、約1年間にわたり調査していたと説明した。2026年5月11日にも複数の行政機関へ通報されたが、施設は数日間活動を止めた後、運営を再開したという。この経緯について当局は説明していない。

湖北省婦幼保健院が医師の関与を確認

上官氏は、湖北省婦幼保健院生殖科に勤務する医師2人が施設での胚移植に関与した疑いがあると主張している。同院医務部は中国メディアの取材に対し、医師が関与したかどうかを調べていると回答した。ただし、医師の所属や関与は現時点で確認されておらず、病院と当局は氏名や拘束の有無も公表していない。

中国の「人類補助生殖技術管理弁法」は、医療機関と医療従事者による代理出産の実施を禁止し、卵子、精子、受精卵、胚の売買も認めていない。

一方、代理出産を希望する人から一定の需要があり、仲介業者が依頼者、卵子提供者、代理母、医療従事者らを結び付ける地下ビジネスが形成されている。新華社や中国新聞社の過去の調査報道によると、仲介業者が卵子の提供、体外受精、胚移植、代理母による出産などを組み合わせ、一括して請け負う例もある。

採卵や胚培養、胚移植には専門的な医療技術が必要となる。過去には、公立病院の医師や麻酔科医、看護師らが地下施設で処置を行い、手術ごとに報酬を受け取っていたとされる事例も報じられている。ただし、今回の武漢事件で疑惑が浮上した医師について、報酬の授受は確認されていない。

武漢市衛生健康委員会は今後も証拠収集を進め、確認された違法・犯罪行為を法令に基づいて厳しく処分するとしている。

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(2026年9月11日)
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