中国とネパールの国境地帯で8月26日、大規模な土石流と洪水が発生し、中国チベット自治区シガツェ市吉隆県の吉隆口岸(国境検問所)とネパール北部に甚大な被害が出た。中国側では26日20時時点の初期集計で3人が死亡、265人が行方不明となっている。ネパール側でも多数の死者・行方不明者が確認されており、両国で捜索救助が続いている。
災害は26日午前10時30分ごろ、中国側の発表によると、ネパール側で発生した大規模な土石流の影響で発生した。吉隆口岸では建物が土砂にのみ込まれ、同口岸へ向かう道路、通信、電力が寸断された。中国当局は死傷者数について「さらに確認中」としている。
消防601人を投入、軍も空から救援
中国当局は救援態勢を拡大している。26日20時までに国家総合消防救援隊は車両113台、隊員601人を投入し、捜索犬や生命探知機、ボートなどを現場に向かわせた。応急管理省と国家消防救援局は27日、中国救援隊を追加派遣した。
人民解放軍西部戦区は大型輸送機「運20」で指導チームをチベットへ派遣。チベット軍区も27日午前8時20分、ヘリコプター2機をラサから吉隆方面へ送り、被害状況の確認や救援飛行ルートの調査を開始した。
中央政府は国家2級救災緊急対応を発動。財政省と応急管理省は中央自然災害救済資金1億2000万元を緊急拠出したほか、中央の救援物資3万点を手配した。現地では道路の復旧、電力・通信施設の応急復旧も進められている。
ネパール側は死者数の情報に差
ネパール側の人的被害は報道の更新時点によって大きく異なっている。台湾の中央社は26日、ネパール警察の発表として95人の遺体が収容されたと報道した。一方、香港電台は27日朝、ネパール武装警察当局の発表として157人の遺体が見つかったと伝えた。
行方不明者についても、中央社は26日の早い段階で384人が行方不明と報じたが、香港電台や香港01はその後、ネパール観光当局の情報として観光客400人超が行方不明となり、このうち約340人が外国人旅行者としている。数字の違いは、被害確認が進む過程で情報が更新されたことによる可能性がある。
災害原因はなお調査中
災害原因は確定していない。ネパール側では、26日朝に発生したマグニチュード4.4の地震が高山地帯の雪崩を誘発し、河川を一時的にせき止めた後に洪水が発生した可能性が示されている。一方、中国水利省は降雨量や河川水位、氷河・氷河湖の変化などを調査し、土石流の発生原因や下流地域の危険性を分析している。
吉隆口岸周辺では2025年7月にも土石流が発生し、中国側で11人、ネパール側で中国人作業員6人の計17人が行方不明となった。上流域には多数の氷河湖が分布しており、専門家は新たな氷河湖決壊による洪水への警戒を指摘している。
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