恒大創業者・許家印被告に無期懲役 全財産も没収

恒大創業者・許家印被告に無期懲役 中国首富から転落、全財産も没収

中国広東省の深セン市中級人民法院は2026年8月20日、不動産大手・中国恒大集団の創業者で実質支配者の許家印被告に対し、違法な資金調達や資金調達詐欺、証券の不正発行、贈賄など複数の罪で無期懲役を言い渡した。政治的権利を終身剥奪し、個人財産を全て没収する。恒大集団には88億2000万元、恒大地産集団には70億元の罰金を科し、違法所得についても引き続き追徴する。

恒大と許家印被告、大規模な財務粉飾

裁判所によると、恒大集団、恒大地産、許被告は2016~2021年、継続的かつ大規模な財務粉飾を行い、資産を水増しする一方で負債を隠した。その上で違法な資金調達や資金調達詐欺、証券の不正発行、重要情報の違法開示などを行った。

恒大集団と許被告はさらに、贈賄などによって金融機関の支配権を取得し、融資や保険資金を違法に恒大側へ流用したと認定された。許被告は恒大地産の董事長(会長)として財務粉飾を組織したほか、配当名目で会社財産を横領したとされた。関連事件では許被告以外の56人にも刑が言い渡された。

許家印被告、資産2900億元で中国首富に

許被告は1958年、河南省周口市の農村に生まれた。大学卒業後は河南省の鉄鋼会社で働き、1992年に中国南部へ移った。その後、不動産業界に入り、1996年に広州で恒大を設立した。恒大は住宅開発を急速に拡大し、2009年に香港証券取引所へ上場した。

中国の不動産市場拡大を追い風に恒大は急成長し、許被告は2017年、資産約2900億元で中国首位の富豪となった。恒大も不動産を中心に、自動車、観光、健康、スポーツ、金融など幅広い分野へ事業を拡大した。

巨額債務で恒大の経営が悪化

一方、恒大は多額の借り入れに依存して事業を拡大しており、中国政府が不動産会社の資金調達規制を強化すると資金繰りが急速に悪化した。巨額債務を抱えて経営危機に陥り、2021年以降は住宅購入者への物件引き渡しや債務返済が大きな問題となった。

許被告は2023年9月に中国当局の強制措置を受けた。2026年4月には深セン市中級人民法院で初公判が開かれ、起訴された罪について認めていた。

プライベートジェット3機、豪華生活も注目

絶頂期の許被告は大型プライベートジェット3機を所有していたとされ、2015年には大型ヨットも購入した。香港や海外にも高級不動産を所有していたが、恒大の債務危機後は資産の一部が接収や凍結、売却の対象となった。

香港の星島頭條は、許被告が高級葉巻に年間700万元以上を費やしていたほか、恒大が最盛期に約200人規模の歌舞団を抱えていたと伝えた。恒大が香港上場後に支払った多額の配当のうち、株式の大部分を保有していた許一族にも巨額の資金が渡ったという。

農村出身から中国最大級の不動産会社を築き、中国首位の富豪に上り詰めた許被告は、恒大の経営破綻と刑事捜査を経て、無期懲役と全財産没収の判決を受けることになった。

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