中国民主活動家が米ニューヨークで襲撃 一時重体 台湾で越境弾圧への警戒強まる

2026年7月15日、中国の民主活動家で米国に本部を置く「中国民主党国際連盟」の主席を務める界立建氏が、米ニューヨーク市クイーンズ区フラッシングで3人の男に襲撃され、頭部に重傷を負って一時重体となった。台湾では7月6日にジャーナリストの矢板明夫氏が台中市で襲撃された事件もあり、中国による「越境弾圧」への警戒が強まっている。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)や台湾メディアなどが伝えた。

界立建氏がニューヨークで襲撃 一時重体

台湾メディアによると、界氏は7月15日夕、クイーンズ植物園付近を歩いていた際、3人のアジア系の男に尾行された後、棒状の凶器で頭部や両脚を殴打された。界氏は襲撃後、激しい痛みに耐えながらバスに乗り込んだ後に意識を失ったという。病院搬送時には頭部から大量に出血しており、現在も集中治療室(ICU)で治療と経過観察を受けている。

界氏は7月18日、自身のX(旧ツイッター)にICUで撮影した写真を投稿し、「現在ICUに入院しているが、必ず元気になって戻る」と報告した。さらに7月22日には病院から公開した映像で、「中国共産党による越境弾圧を恐れない」と述べるとともに、米連邦捜査局(FBI)などに事件の早期解決と被害者の安全確保を求めた。

界氏は中国・山東省出身で、中国では陳情者、民主活動家、市民記者として活動した。2018年に精神病院への収容を経て中国を離れ、米国で民主化運動を続けている。2023年8月にはロサンゼルス郊外で襲撃され負傷したほか、2026年には王毅中国外相の訪米への抗議活動後、自身の車が2度衝突される被害にも遭ったとしている。

台湾政府、越境弾圧への警戒を強化

台湾の林佳龍外交部長(外相)は2026年7月22日、中国による海外での脅迫や嫌がらせなどの「越境弾圧」への警戒を強めているとして、海外で脅迫などを受けた台湾市民に在外公館への連絡を呼び掛けるとともに、各国と連携して対処する方針を示した。

また、中国が海外に設置したとされる「海外警察署」について、各国で摘発や違法認定を受けた事例があると説明した。

矢板明夫氏襲撃事件との関連にも注目

台湾では2026年7月6日、ジャーナリストの矢板明夫氏が台中市で講演終了後、中国籍の男に殴られて負傷した。容疑者は韓国へ出国を図ったが空港で拘束され、台湾当局は事件の背景を捜査するとともに、中国が7月1日に施行した「民族団結進歩促進法」施行後初の越境弾圧事件となる可能性も視野に、中国側の関与や背後関係を調べている。

一方、界氏襲撃について一部台湾メディアや関係者は中国工作員の関与を指摘しているが、現時点で米国当局は犯行主体を公表しておらず、中国政府の関与は確認されていない。


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