
中国経済巡る講演中に警察が事情聴取
香港紙・明報や中央社によると、清華大学経済管理学院の元准教授で、現在はマーケティング分野の講師として活動する鄭毓煌氏が、2026年6月28日に北京市内で開催した有料講演会で、警察から事情聴取を受けた。講演は北京首都空港ヒルトンホテルで開かれ、警察官2人が会場を訪れて鄭氏を一時会場外に呼び出したが、約5分後に事情聴取は終了し、講演は再開された。
鄭氏はその後、SNSに投稿した動画で、講演会が「違法集会」と疑われたため警察官が現場を訪れたと説明し、事情を説明した結果、警察官は退去したと明らかにした。
中国経済の見通しに言及
参加者によると、鄭氏は講演で、中国経済について「マクロでは悲観的、ミクロでは楽観的」と述べ、この状況が20~30年続く可能性があるとの見方を示し、日本の事例にも言及したという。インターネット上では、中国経済を悲観視する発言が通報の原因になったとの見方が広がっている。
鄭氏は2026年6月27日にも同ホテルで「CMSI科学マーケティング学院コア会員向け特別講座」を開催した。講師として招かれた元清華大学社会学系教授の孫立平氏は、中国は「衰退期」、欧米は「過熱期」、日本や韓国は「回復期」にあるとの認識を示したとされる。
約500人が参加 受講料9800元
鄭氏は約2年前に清華大学を退職し、「CMSI科学マーケティング学院」を設立して講座事業を展開している。年会費は999元で、会員は毎年1回の対面講義に参加できる。
今回の北京で開催された講演には約500人が参加し、「ハーバード・ビジネススクール実践ケース分析トレーニングキャンプ」の受講料は9800元だった。鄭氏は通報について「有名になるとトラブルも多く、多くの人の反感を買う」と語った。
社会問題への発信でも注目
鄭氏は近年、「世界経済が悪いのではなく、悪いのは私たちだ」とする動画を公開し、サッカー・ワールドカップやNBAのチケット価格を例に米国経済の好調さに言及する一方、中国で大型スポーツ大会を開催しても「最後は結局、国民が負担することになる」と述べた。この動画はその後削除された。
また、中国本土の大学キャンパスの一般開放状況を調査し、新型コロナウイルス流行後も閉鎖を続ける大学を「怠慢行政」と批判したことでも注目を集めた。この問題は「大学キャンパスは一般開放すべきか」を巡る議論を呼び、鄭氏はその後、「校門実験」を理由にSNSで15日間の投稿停止措置を受けたことを明らかにしている。
