中国が本格的な増水期入り エルニーニョと温暖化で洪水・猛暑リスク高まる

中国が本格的な増水期入り 洪水警戒を強化

】中国は2026年7月1日に全国で本格的な増水期に入り、エルニーニョ現象と地球温暖化の影響が重なることで、洪水や猛暑への警戒を強めている。中国中央テレビ(CCTV)などが伝えた。中国水利部は24時間体制の監視を開始し、ダムや堤防などの安全対策を進めている。

エルニーニョが洪水と干ばつの両リスクを高める

中国水利水電科学研究院防災センターの厳登華・総工程師によると、赤道中東部太平洋は2026年5月にエルニーニョ状態へ入り、海面水温は現在も上昇を続けている。現象は2026年夏から秋にかけて中程度以上へ発達し、2026年秋から冬にピークを迎え、2027年春まで徐々に弱まる見通しだ。

同氏は、本格的な増水期とエルニーニョ、さらに地球温暖化が重なることで、中国南部では降雨量が増加すると説明した。長江下流域や珠江流域では大規模な洪水が発生する可能性があるほか、松遼流域、海河流域、黄河下流域でも洪水リスクが高まる見込みとしている。台風も平年より早く発生し、盛夏には北上して中国東部沿岸へ影響する可能性が高いという。

一方、降水の偏在も予想されている。四川省、重慶市、湖北省、陝西省、新疆北部では高温少雨となり、干ばつが発生する可能性があるほか、黄淮地域では熱波が予想される。また、一部流域では干ばつの後に洪水が発生する「旱澇急転(急激な干ばつ・洪水の転換)」への警戒も必要としている。

北部では集中豪雨増加 水利部は24時間監視

厳氏は、地球温暖化による雨帯の北上傾向がエルニーニョによって一段と強まり、東北地方から華北東部では降水量が増え、極端な集中豪雨も増加するとの見通しを示した。

これを受け、中国水利部は全国200基以上の降雨レーダーと13万か所以上の水文観測所を活用したリアルタイム監視を実施。24時間体制で降雨や河川水位を監視するとともに、本格的な増水期を前にダムや堤防、堤防横断施設などの点検を進め、水害で損傷した施設の復旧を急いでいる。さらに、ダムの事前放流による洪水調節容量の確保や統合運用を実施し、洪水対策と干ばつ対策を並行して進めている。

香港天文台「観測史上最強級」の可能性

香港メディア「東網」は2026年7月2日10時00分、中国南部では降雨量が平年を上回る一方、北部では極端な豪雨が増える見通しを報じた。

また、香港天文台は2026年6月30日18時18分、今回のエルニーニョ現象が「強」から「超強」レベルへ発達し、予測通りとなれば観測史上最強となる可能性があると発表した。強いエルニーニョは世界各地で異常高温や降水パターンの変化をもたらすとされ、地球温暖化の影響も加わることで、香港では2026年と2027年の平均気温が平年を大きく上回り、観測記録を更新する猛暑となる可能性があるとして、高温による健康被害への警戒を呼びかけている。


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