中国で日本人2人拘束 レアアース輸出管理強化で日系企業に緊張 日中・米中対立も拡大

Construction site with a yellow excavator loading dirt beside large mounds and a yellow dump truck on a muddy lot, concrete wall backdrop, signs in Chinese.

2026年6月26日までに、中国遼寧省大連市で日本人2人が中国当局に拘束されたことが明らかとなり、日系企業の間で中国事業への警戒感が高まっている。2人は富士電機の社員で、レアアース関連物資を国外へ持ち出そうとした疑いが持たれている。中国政府は同時期にレアアースなど戦略鉱物の輸出管理も強化しており、日中、米中双方で経済安全保障を巡る緊張が高まっている。

日系企業で中国出張見直しの動き

共同通信によると、今回の拘束を受け、大連に拠点を持つ日系企業では中国出張の縮小を検討する動きが出ている。半導体事業に従事する日系企業の社員も、中国勤務に不安を抱く駐在員が増えていると明らかにした。一部企業では社員の中国出張を一時停止することも検討されており、社員や家族の中国赴任を控える動きも広がっている。

また、現地の日系メーカー関係者からは、日本政府に対し、中国当局がどのような行為を違法と判断するのか、可能な限り具体的な情報を公開するよう求める声も上がっている。日本政府関係者は、今回の拘束事件によって日中関係がさらに悪化し、中国に進出する日系企業へ影響が及ぶことを懸念している。

日本政府と中国政府の説明

木原稔官房長官は2026年6月24日の記者会見で、2人が5月18日と5月25日に拘束されたことを明らかにした。日本政府によると、2人は「国家が輸出入を禁止する貨物・物品の密輸罪」の疑いで取り調べを受けている。

これに対し、中国外交部の郭嘉昆報道官は6月24日、2人は中国の法律に違反したため主管部門が法に基づいて拘留したと説明し、中国側は日本政府へ事案を通報したと述べた。また、日本政府に対し、中国に滞在する日本人や日系企業へ中国の法律・法規の順守を徹底するよう求めた。

レアアース輸出管理を強化

中国商務省安全・管制局は2026年6月24日、戦略鉱物に関する軍民両用品目の輸出規制違反を対象とする通報制度を拡充すると発表した。違法輸出を通報する専用窓口とウェブサイトを設け、無許可輸出や第三国・地域を経由した迂回輸出、管理対象技術の違法な国外移転などを取り締まる方針を示した。

レアアースを巡り日中・米中の緊張が拡大

ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)が紹介したフランス紙ル・モンドは、日本人拘束はレアアースを巡る日中関係の緊張を映す動きと伝えた。

また、中国は2026年6月22日、米国のレアアース企業MPマテリアルズとUSAレアアースの2社をブラックリストに追加したほか、ドローン、ロボット、航空分野の米企業8社にも規制措置を講じた。

一方、米国防総省は6月8日、BYD、百度、アリババなど複数の中国企業を国防調達ブラックリストに追加した。ル・モンドは、中国は対日ではレアアース規制や日本人拘束を通じて圧力を強める一方、対米では報復措置を講じながらも全面対立は避けようとしていると報じている。

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