バンコク廟爆破事件でウイグル族2人に死刑判決 タイの裁判所が一審判決

バンコクのエラワン廟爆破事件でウイグル族の男2人に死刑判決

2015年にタイ・バンコクのラチャプラソン交差点にある有名観光地「エラワン廟(四面仏)」で起きた大爆破事件について、タイのバンコク南刑事裁判所は2026年6月11日、一審判決を下した。裁判所は、中国国籍を持つ新疆ウイグル自治区出身のウイグル族の男、アデム・カラダグ(別名:ビラル・モハメド)と、ユスフ・ミエライリの被告2人に対し、死刑を言い渡した。

この事件は2015年8月17日午後6時55分に発生し、タイの歴史上で最も凄惨な被害を出した襲撃事件の一つである。爆破により20人が死亡し、100人以上(120人以上とも報道)が負傷した。犠牲者20人の内訳は、6人のタイ人と14人の外国人観光客である。外国人犠牲者の具体的な出身地は、中国本土が5人、マレーシアが5人、香港が2人、インドネシアが1人、シンガポールが1人であり、中国国籍の死者は香港出身の2人を含めて計7人であった。

10年以上に及んだ裁判の経過と死刑判決の理由

この事件をめぐる裁判の審理は10年以上に及んだ。原告と被告の双方が450人以上の証人を呼び出し、書類が数万ページに達したほか、新型コロナウイルスの流行や通訳の確保の難しさ、複数の手続きの遅延などが重なり、タイの近年において最も長い期間を費やし、最も注目を集めた刑事事件の一つとなった。

タイの裁判所は、2人の被告が2015年8月にエラワン廟に爆弾を設置し、計画殺人および殺人未遂などの罪を犯し、複数の法律に違反したと認定した。事件発生後、タイ国家警察総署は現場の監視カメラの映像から、黄色いTシャツを着たアデム被告がバックパックを現場に放置した直後に爆発が起きたことを突き止めていた。マイライリ被告は、アデム被告に爆弾を手渡し、爆発の様子を撮影した疑いが持たれていた。

裁判所は「法律が定める最も重い刑罰である死刑を言い渡す」とした。また、この事件では執行官らにより最終的に3人が逮捕・拘束されていた。被告2人に隠れ家を提供した罪に問われていたワナ・スアンサン容疑者は、トルコ籍の夫とともに事件関与者へ住居や庇護を提供したと検察側に主張されていたが、裁判官は検察側が容疑者との関連性を証明できなかったと判断し、すべての罪状について無罪を言い渡した。

死刑判決に対する被告側の反応と控訴の方針

判決の言い渡し後、ミエライリ被告は「タイの司法は死んだ」「自分は何も悪いことはしていない」と法廷で発言し、結果を受け入れない姿勢を示した。

弁護人のチューチャット氏は、訴訟期間中の被告への待遇を含め、裁判所で十分に考慮されていない部分が依然として多く残されていると言及し、被告2人が控訴する方針であることを明らかにした。

ウイグル族の強制送還をめぐる事件の背景と動機

この爆破事件について犯行声明を出した組織はなかったが、その背景については2つの見方がある。

安全保障の専門家や分析家は、事件が発生する数週間前に、当時のタイ軍事政権が109人のウイグル族を中国へ強制送還したことに対する、新疆の分離主義運動の支持者らによる報復行動であったとみている。人権団体は、ウイグル族などの少数民族が中国で文化的・宗教的な弾圧に直面しており、中国政府が新疆で広範な人権侵害を行っていると非難してきたが、中国政府はこれらの主張を否定している。タイはかつてウイグル族にとって重要な経由地であったが、事件当時、タイの指導層は北京に接近しているとみなされていた。なお、タイは2025年2月にも数十人のウイグル族を中国に強制送還しており、この措置は当時、国連から非難を浴びている。

一方で、タイ警察の捜査では異なる結論が出されている。タイ警察は、襲撃者がウイグル族の密航を専門に手助けする密入国あっせん業者であり、タイ当局による厳しい取り締まりへの不満から、報復として暴力的な襲撃を引き起こしたと結論づけていた。

中国外務省外務省報道官がタイ側の厳罰を支持

中国外務省の林剣報道官は、11日の定例記者会見においてタイ側の判決に留意していると言及した。

林報道官は、「当時のテロ爆破事件では、7人の中国国籍者を含む20人が亡くなり、100人以上が負傷した。襲撃者は人間性を欠いており、罪は極めて重大である。中国側は、タイ側が法に基づいて裁判を行い、凶悪犯を厳罰に処することを支持する」と強調した。

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