中国雲南の違法鉱山で崩落事故が発生し5人死亡 露天掘りリン鉱山で盗掘中

A depot filled with ambulances and emergency vehicles outside a gray building with red Chinese characters; workers in orange gear walk among the vans.

露天掘り鉱山で斜面崩落 盗掘中の5人死亡 雲南

雲南省曲靖市会沢県の娜姑鎮白霧村にある個人経営の無許可の採掘場で、5月31日午前4時30分、露天掘りリン鉱山の斜面崩落事故が発生し、作業員ら5人が死亡、1人が負傷した。現地当局が公安、消防などの救助隊を現場に派遣し、土砂に閉じ込められた6人を救出したが、5人は搬送先の病院で死亡が確認された。別の1人は命に別条はない。中国メディアの銭江晩報などが伝えた。

地元関係者の情報では、現場は露天掘り鉱山で、6人は盗掘を行っていた。最近の雨の影響で斜面の土砂が緩んでおり、盗掘の過程で崩落した可能性がある。6人は地元の住民ではないという。

中国大陸では5月22日に山西省の炭鉱で82人が死亡する過去17年間で最悪の爆発事故が起きたばかり。国務院が事故調査組を立ち上げ、国家鉱山安全監察局が全国の主要石炭生産地で1カ月間の安全生産特別監察を展開していた最中だった。会沢県は鉱産資源が豊富で、事故の起きた娜姑鎮を含む区域はリン鉱石の埋蔵地として知られる。現在、現地当局が事後処理と事故原因の調査を順序立てて進めている。

違法鉱山で繰り返される盗掘と産業構造の背景

今回の事故現場となった雲南省会沢県は、独自の地質条件から極めて豊富な鉱産資源を有している。県政府が策定した『会沢県鉱産資源総合計画(2021-2025年)』によると、同県全域で計30種類の鉱産資源が発見されており、そのうち開発利用が可能なものは14種類に及ぶ。エネルギー鉱産、黒色金属、有色金属、貴金属、さらには建築資材鉱産まで幅広くカバーしており、地域経済を支える支柱産業として強固な工業体系が築かれてきた。

特に、事故が発生した娜姑鎮を含む5つの郷・鎮の区域は、豊富なリン鉱石資源が埋蔵されていることで知られる。リンは農業用肥料やリチウムイオン電池の正極材(リン酸鉄リチウム)の主原料として、近年の新エネルギー産業の急拡大に伴い需要が世界的に高騰している戦略物資である。

しかし、こうした豊富な資源と市場価値の上昇が、皮肉にも違法採掘や盗掘を惹起する要因となっている。元村幹部の証言によると、事故が起きた現場はもともと正式な採掘許可を得ていない個人経営の違法採掘場(露天掘り場)であった。そこへさらに地元の町民ではない外部の人間が、監視の目を盗んで月に1〜2回ほど不法に侵入し、夜間に鉱産資源を掘り出すという「違法の上にさらに違法を重ねる」歪な構造が常態化していた。

露天掘り鉱山は坑道掘りに比べて初期投資が少なく、地表から直接削り取ることができるため密掘が容易である反面、適切な管理がなされないまま掘り進めると、高い土手(法面)の強度が著しく低下する。現場周辺では最近、降雨が続いており、水分を含んで極めて脆弱になっていた斜面の土砂が、不適切な密掘作業による振動や掘削によって一気に崩落したとみられる。

中央政府の安全政策と地方のガバナンスにおける乖離

今回の雲南省における事故は、中国中央政府が進める安全生産政策の意図が、地方の末端組織や過疎地においていかに浸透しきれていないかを浮き彫りにした。

中国では5月22日、山西省にある山西通洲集団の留神峪炭鉱において、247人が坑内作業中に深刻なガス爆発事故が発生した。これにより82人が死亡、2人が行方不明、128人が負傷するという、中国の鉱山災害としては過去17年間で最悪の惨事となった。中央政府はこの事態を極めて重く受け止め、27日には国務院直轄の事故調査組を設立。応急管理部が陣頭指揮を執り、公安部や国家鉱山安全監察局、山西省政府が一丸となって全容解明に乗り出した。さらに28日には、国家鉱山安全監察局が「炭鉱ガス防除の緊急通知」を全国に通達し、10個の特別督導組を国内の主要な石炭・鉱物生産地へと一斉に派遣して、1カ月間にわたる大規模な安全生産特別監察を開始したばかりであった。

このように、国を挙げた厳戒態勢が敷かれ、各地方政府に対して厳格な取り締まりと安全確認が義務付けられていた最中に、雲南省の山岳地帯で今回の事故が scheduling されたかのように発生した。中央政府による監視の網は、国営企業や一定規模以上の認可鉱山に対しては強く機能するものの、山背に隠れた無許可の違法現場や、夜間に神出鬼没に現れる密掘者に対しては、地方当局のガバナンス能力不足や監視人員の限界から、事実上の無法地帯化を許していたことになる。

事故発生後、記者による娜姑鎮政府や会沢県応急管理局、自然資源局への取材に対し、いずれの部門も口を揃えて取材を拒否した。この対応は、安全監察の強化期間中に管轄地域内で死傷者を伴う違法採掘事故を出したことに対する、地方幹部の更迭や問責への強い警戒感の表れと言える。新エネルギー産業の隆盛に沸く中国市場の陰で、末端の資源確保現場における安全対策の不備と、中央と地方の政策執行力のギャップは依然として解消されておらず、同様の構造的リスクは今後も燻り続ける可能性が高い。

[出典] ・中国再傳礦災 雲南盜採礦場崩塌致5死1傷 | 兩岸 | 中央社 CNA大陸再傳礦災 雲南一礦場私挖盜採造成垮塌致5死1傷 | 聯合報云南会泽多人盗矿发生垮塌致5死1伤,知情人:一处露天磷矿土坡垮塌,盗采者非本镇居民 | 钱江晚报

[関連情報] ・山西省の炭鉱で爆発事故か 82人死亡、128人負傷内モンゴルの露天炭鉱で大規模崩落 多数が生き埋め新疆の炭鉱でガス突出事故 死傷者発生貴州省の炭鉱事故で複数人死亡 安全管理に批判雲南省の鉱山で落盤事故 作業員が閉じ込められる河南省の金鉱で事故 救助活動続く黒竜江省の炭鉱で火災事故 死傷者発生陝西省の炭鉱事故で調査開始 違法操業の疑い

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