プーチン訪中で中ロ結束を誇示 台湾問題・エネルギー協力・対米戦略が焦点に

Two men in dark suits shake hands in front of Russian and Chinese flags at a formal event.

プーチン氏訪中、中ロ結束を誇示 台湾問題とエネルギー協力が焦点

 ロシアのプーチン大統領は19~20日に中国を国賓として訪問し、習近平国家主席と会談する。訪中を前に発表したビデオ演説では、「現在の中ロ関係は前例のない水準に達している」と述べ、主権や国家統一を含む核心利益で相互支持を続ける姿勢を強調した。トランプ米大統領の訪中直後という日程もあり、中ロ関係と中米関係の行方に注目が集まっている。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)や香港メディアなどが伝えた。

 プーチン氏は、中ロ両国が政治、経済、防衛、人文交流など各分野で連携を拡大していると説明したほか、国連や上海協力機構(SCO)、BRICSなど多国間枠組みでも協調を強めていると指摘した。「中ロ友好は第三国を対象とするものではなく、平和と共同繁栄を追求するものだ」とも述べ、「古い友人」である習近平氏の招待で再び北京を訪問できることを喜ばしく思うと語った。

 クレムリンによると、今回の訪中には大規模なロシア代表団が同行する。双方は約40件の国家間協定や商業契約を締結する予定で、工業、交通、原子力、教育、人文交流など幅広い分野が対象となる見通しだ。中国側は20日に正式歓迎式典を実施し、その後、習近平氏とプーチン氏が少人数会談と拡大会談を行う。少人数会談では、両国関係における「最も敏感な問題」についても協議するとされている。

 ロシア側は今回の訪中で、天然ガスパイプライン「シベリアの力2」を含むエネルギー協力も主要議題になると明らかにしている。ロシアは西側制裁によってエネルギー輸出先をアジアへ大きく転換しており、中国市場への依存度を急速に高めている。一方、中国側も中東情勢の緊迫化を受け、エネルギー供給源の多角化を加速している。

中国外交の存在感拡大 米ロ双方が中国を必要とする構図

 今回の訪中が特に注目されている背景には、トランプ氏の訪中直後という異例の日程がある。欧州の中国専門家らは、現在の地政学環境では米国とロシアの双方が中国を必要としており、中国は外交的に有利な立場に立っていると分析する。

 ベルリンのメルカトル中国研究所(MERICS)の専門家クラウス・ソング氏は、「現在は米国もロシアも、それぞれ異なる形で中国を必要としている」と指摘した。中国は現時点で米国とロシアのどちらかを明確に選ぶ必要がなく、ロシアと西側の対立から急いで距離を置く必要もないという。

 トランプ氏が習近平氏から高い格式で迎えられた一方、今回のプーチン訪中には「探り」の意味合いもあるとみられている。中米関係が改善に向かった場合、それがロシアの利益を損なう方向に進まないかを確認する必要があるためだ。

 ソング氏は、「ロシアがウクライナ戦争を終結させたい場合、誰が信頼できる仲介者になり得るか」が今後の重要な論点になると指摘した。最近では、ロシア国内で戦争疲れを示唆する兆候も出始めており、クレムリンが終戦の可能性を模索しているとの見方もある。

台湾問題も会談テーマか 「一つの中国」支持を再確認

 台湾問題も今回の会談で議論される可能性が高いとみられている。英紙ガーディアンによると、米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」の上級研究員ウェブスター氏は、「台湾問題も習・プーチン会談の潜在的議題になる可能性が高い」と分析した。

 プーチン氏は従来から中国の「一つの中国」政策を支持しており、2024年には「台湾はアジア版ウクライナ危機を引き起こし、外部支援を得ようとしている」との見解も示していた。今回の演説でも、「国家統一の擁護」を中ロ両国の共通核心利益として位置付けている。

 ただ、中国側は台湾海峡での軍事衝突を望んでいないとの見方が強い。専門家は、中国にとって安定維持が最優先事項であり、台湾海峡で戦争が起きれば、中国経済や輸出、国内安定に重大な打撃を与える可能性があると指摘している。

 現在の中ロ関係について、ソング氏は「同じベッドで別の夢を見る夫婦」と表現した。双方には共通利益が存在する一方、完全に利害が一致しているわけではないという。中国にとって重要なのは、ロシアとの戦略関係を維持しつつも、過度な依存を避け、自らの外交主導権を確保し続けることにある。

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