中国国家安全省、レアアース機密漏洩で企業幹部を摘発 

Aerial view of a large open-pit quarry with terraced walls, roads, and a distant town nestled on a hilltop.

国家安全省、レアアース機密漏洩で企業幹部を摘発

中国国家安全省は23日、国内レアアース企業の副総経理が、戦略資源に関する国家秘密を国外へ漏洩したとして厳罰に処されたと発表した。中国メディアの紅網などが伝えた。

同省によれば、国外の非鉄金属企業が中国人雇用者である葉某某を通じて、国内レアアース企業の副総経理であった成某を金銭で誘惑。副総経理は、職務上知り得た中国のレアアース備蓄品目、数量、価格など計7件の「機密級国家秘密」を不法に提供した。レアアースはハイテクや国防に不可欠な戦略資源であり、中国は2025年から主要国への輸出管理を強化している。同省は、情報の流出が国家の経済と科学技術の安全に深刻な脅威を与えたと強調した。

同省はこのほか、元エンジニアによる半導体関連の重要技術の流出や、電子商取引(EC)プラットフォームのシステム内に不正なプログラムを潜伏させ、日量100万件超の経営データを窃取していた事例も公表した。

同省は、ハード、ソフト、人員の三側面からなる管理体系の構築を提言。全社会、特に業界関係者に対し、「12339」通報窓口の活用を含め、高い警戒心と秘密保持意識を持つよう呼び掛けた。

戦略資源を巡る攻防と産業保護の背景

今回の摘発の背景には、中国がレアアースを国際貿易戦における重要な「切り札」と位置づけ、その管理を国家安全保障の根幹に据えている実態がある。中国は世界のレアアース生産および精錬工程で圧倒的なシェアを誇り、対米・欧・日戦略の一環として、2025年からは輸出管理条例に基づく審査を厳格化させてきた。国外の諜報機関が中国内部の備蓄データや価格戦略の把握に躍起になる中、当局は「産業チェーンの安全は高品質な発展の全局に関わる」として、経済安全保障の観点から監視を強化している。

特にレアアースの収儲(国家備蓄)に関する情報は、市場価格の操作や戦略的サプライチェーンの構築に直結するため、最高レベルの警戒が必要とされる。今回、企業幹部が金銭によって買収された事実は、中国国内の重要資源企業における内部統制の脆弱性を露呈した形となり、国安省は「内通者」によるリスクを強く警告している。

巧妙化する窃密工作と多角的な防衛体系

国安省が公表した事例はレアアースにとどまらない。半導体分野では、元エンジニアによる核心的な製造プロセスの流出が指摘された。これは、米中間の技術覇権争いが激化する中、中国が自力更生を目指す半導体産業において、数年間に及ぶ研究開発投資とグローバルな発言力を一瞬にして喪失させるリスクを孕んでいる。

また、データ安全の分野では、ECプラットフォームへの「寄生」による組織的なデータ窃取が明かされた。これは単なる商業的な権利侵害ではなく、デジタル経済の根幹を支えるデータエコシステムそのものを破壊する行為として、国家安全保障上の脅威に位置づけられている。

これら多発する窃密行為に対し、中国当局は「ハード・ソフト・人員」の三側面からなる包括的な防護体系を提言している。ハード面ではチップやサーバーのトレーサビリティ管理を徹底し、ソフト面ではコード監査やデータ海外移転の安全評価を強化する。そして人員面では、重要ポストに対する背景調査と保密研修の義務化を推進する構えだ。産業チェーンの安全維持を政府と企業の「独り芝居」にせず、社会全体で防衛線を築くという姿勢は、改正反スパイ法の施行以降、より鮮明になっている。

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