
中国が「域外管轄対抗条例」 米の二次的制裁に報復根拠
中国政府は13日、外国による不当な「域外管轄(ロングアーム管轄)」に対抗するための「反外国不当域外管轄条例」を公布し、即日施行した。外国が国際法に違反して中国の主権や安全、国民の権益を損なう措置を講じた場合、貿易や投資など広範な分野で報復措置を講じる権利を明文化した。台湾の中時新聞網などが14日伝えた。
条例は、米国が制裁対象国と取引をした「第三国の企業や個人」に課している「二次的制裁(セカンダリー・サンクション)」への対抗が目的。多くの中国企業が第三国との取引を制限され、深刻な打撃を受けている。専門家は、5月中旬の米中首脳会談(川習会)を前に、米を牽制する狙いがあるとみている。
4月7日施行の「サプライチェーン安全規定」とともに、外国の妨害から供給網を守るための対抗手段となる。既存の「反外国制裁法」を含め「三反(反制裁、反干渉、反ロングアーム管轄)」の態勢が整った。法的に国家安全を維持する体制が一段と強化されたことになる。
条例は全20条。外国の不当な措置を「識別・遮断・反撃」する仕組みを構築した。具体的には、不当な制裁に関与した外国の組織や個人を「悪意あるエンティティリスト」に登録し、資産凍結や入国禁止、取引制限などの精密な反制裁を科す。また、中国の組織や個人が外国の不当な命令に従うことを禁じる「執行禁止命令(禁執令)」制度を新設し、違反により損害が出た場合は国内で提訴できるとした。
供給網の「武器化」防ぐ 産業構造への影響と政策意図
今回の条例施行は、単なる外交的な示威行為にとどまらない。その根底には、米国の「ロングアーム管轄」が中国の産業構造と経済発展にもたらす実害を、法的強制力をもって排除しようとする強固な政策意図がある。特に半導体や重要鉱物などのハイテク産業において、米国が自国法を根拠に第三国企業へ中国との取引停止を強いる「二次的制裁」は、中国のサプライチェーンの強靭性を直接的に脅かしてきた。
李強総理が署名した本条例は、こうした外部からの「経済的威圧」に対し、中国政府が公的に「不当性」を認定し、それに対抗する権利を法律で担保したことに大きな意味がある。第7条および第8条では、不当な措置を講じる国や個人に対し、外交・出入国管理のみならず、貿易、投資、国際協力、対外援助といった多方面での反撃を可能にしている。
具体的には、不当な制裁に関与した主体に対し、ビザの発給拒否や入国禁止、国内資産の凍結、さらには中国国内の組織・個人による情報提供や取引の禁止を命じることができる。これは、米国の制裁に従うことが、中国市場でのビジネス機会の完全な喪失や資産没収のリスクに直結することを意味する。グローバル企業は、米国の制裁か中国市場かという極めて困難な「二者択一」をこれまで以上に鋭く迫られることになる。
専門家は「法治による国家安全の強化」と分析
中国国内の専門家は、今回の動きを国際秩序における法治主義の貫徹と位置づける。中国政法大学の霍政欣教授は、本条例を「覇権主義や強権政治に反対し、国際秩序の破壊者に『ノー』を突きつけるための法律武器」と評価する。これまでの対抗法規に欠けていた具体的な「遮断ツール」が補完されたことで、対外法治体系の建設における画期的な成果であると強調した。
また、中国商務部研究院の周密研究員は、EUなどの主要経済体も同様の遮断措置(ブロッキング規則)を導入していることを挙げ、本条例の国際的な正当性を主張する。特筆すべきは、本条例が4月初旬に施行された「サプライチェーン安全規定」と密接に連動している点である。外国の組織が中国の産業供給網を損なう行為を行った場合、政府が安全調査を実施し、それに基づき本条例の報復措置を発動するという重層的な防衛体制が構築された。
国際的な影響も避けられない。5月に予定される米中首脳会談に向け、北京当局は交渉材料としての法体系を完成させた形だ。産業界では、この「禁執令」制度により、米国の輸出管理規則に従ったはずの企業が、中国国内で賠償請求訴訟を提起されるリスクが急浮上している。法治という名の下で進められる「盾と矛」の整備は、米中のデカップリング(切り離し)をさらに加速させ、多国籍企業の戦略に根本的な見直しを強いることになるだろう。
[出典]
- 大陸公布施行「反外國不當域外管轄條例」(中央社)
- 陸祭反外國不當域外管轄條例,明確有權採貿易反制(MoneyDJ新聞)
- 反外國不當域外管轄條例發布 即起施行(工商時報)
- 陸新規反制外國不當域外管轄 專家分析保護自身權益 維護國際秩序(聯合報)
- 李強簽署國務院令 公布《反外國不當域外管轄條例》(北京市人民政府)
[関連情報]
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