中国、サプライチェーン安全規定を施行 米欧の輸出規制に対抗、報復措置を法制化

中国「供給網安全規則」施行 外国の制限に「対抗措置」

中国国務院は7日、サプライチェーン(供給網)の安全確保を目的とした新規則「産業チェーン・サプライチェーン安全規定」を公布し、即日施行した。外国政府や組織が中国に差別的な禁輸措置などを講じた場合、強力な「対抗措置」を発動することに法的根拠を与えた。台湾経済メディアの鉅亨網などが伝えた。

規則は全18条で、新たに「安全調査制度」を導入。中国の供給網の安全を損なうと見なした外国企業などに対し、関係部門が調査を行い、輸出入の禁止や特別な賦課金の徴収、投資・入国の制限など報復措置を講じることができる。国内の組織や個人には対抗措置の実行を義務付ける。

また、供給網に関する「違法な情報収集活動」への取り締まりも強化する。重要分野の原材料や技術の供給安定性を評価する「早期警戒システム」を構築する一方、情報管理の徹底を図る。

今回の新規則には、アメリカや欧州が進める対中輸出規制・制裁に対抗し、法的な守りを固める狙いがある。重要物資の生産や流通を「国家安全保障」の根幹と位置づけ、外国からの干渉を退けることで、自国だけで完結し、外部からの圧力に屈しない強固なサプライチェーンの構築を急ぐ構えだ。

供給網の「武器化」を加速させる法的防御体系

今回の規定は、単なる産業政策の延長ではなく、国家安全保障と経済政策を完全に統合させた「総合的国家安全観」の具現化といえる。背景には、ハイテク分野を中心とした米中対立の激化がある。これまで中国は、外国の制裁に対して個別に対応してきたが、本規定により、行政手続きとしての「安全調査」から「報復措置」の発動までを一気通貫で行う法的枠組みを完成させた。

特に注目すべきは、第3条に規定された「対抗措置」の適用範囲だ。外国政府による公的な制裁だけでなく、外国の組織や個人、すなわち民間企業が「市場規則に違反して取引を停止」した場合も調査対象となる。これは、自国の制裁措置に従って中国企業との取引を断念せざるを得ない多国籍企業に対し、中国側が「不当な差別的措置」として報復を行う可能性を示唆している。外資系企業は、自国政府の規制と中国の法的リスクという「板挟み」の状態に置かれることになる。

また、供給網の情報を「国家の機密事項」に近い扱いとする姿勢も鮮明になった。法規内で強調された「違法な情報収集活動」の取り締まりは、サプライチェーンの透明性を求める国際的な潮流とは逆行する。コンサルティング会社や監査法人が行うデューデリジェンス(適正評価)活動が「国家安全を損なう」と判断されれば、処罰の対象となるリスクが浮上している。

産業構造の自立と強靭化に向けた国家戦略

中国当局が「産業・供給チェーンの合理的かつ秩序ある配置」を主導すると明記した点は、産業構造のドラスティックな再編を予感させる。重要分野、特に半導体、新エネルギー、重要鉱物、先端製造装置における核心技術の「難関攻略(自主開発)」を国家が強力に支援し、川上から川下までを国内で完結させる「閉鎖的な循環構造」を目指す戦略だ。

この戦略を支えるのが、新たに構築される「早期警戒システム」である。原材料から製品に至るまでの流通経路をリアルタイムで監視し、依存度の高い外部要素を特定・排除することで、供給網の「弱点」を組織的に解消していく。これは、経済成長よりも「安全」と「自給自足」を優先する習近平政権の姿勢を象徴している。

専門家は、今回の動きを「長年進められてきた広範な法的整備の集大成」と分析する。中国はすでに反外国制裁法や輸出管理法を整備しているが、今回の規定によってサプライチェーンという実体経済の動脈そのものを法的防壁の内側に組み込んだ。今後、外国による追加の輸出規制が発動された際、中国側が即座に「産業安全」を盾に強力なカウンターを繰り出すシナリオが現実味を帯びている。

[出典]

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