
日本の長距離ミサイル配備に中国国防部が猛反発「自衛の偽装脱いだ」
防衛省が10日、射程約1000kmに及ぶ新型長距離ミサイルを3月末に配備すると発表したことを受け、中国国防部の蔣斌報道官は11日、「自衛の偽装すら完全に脱ぎ捨てるものだ」と述べて激しく非難した。蔣氏は、日本の「新型軍国主義」が現実の脅威になったと主張し、武力衝突の際には「徹底的な失敗を喫することになる」と威嚇した。
防衛省の計画では、3月31日に静岡県の陸上自衛隊富士駐屯地へ「島嶼防衛用高速滑空弾(HVGP)」を配備し、熊本市にも改良型の「12式地対艦誘導弾」を配備する。HVGPの強化型は射程1000~2000kmを目標としており、中国本土や琉球諸島周辺をカバーする反撃能力として運用される見通しだ。
蔣氏は、日本が平和憲法の改正や「安保3文書」の改定を加速させていると指摘。「専守防衛」の枠を越えた遠距離攻撃型兵器の配備は地域の安全を破壊すると強弁した。一方で、中国側も軍備増強を誇示している。8日には最新鋭の055型ミサイル駆逐艦2隻が東部戦区海軍に就役したことが判明。これにより中国沿岸を管轄する全3戦区に同型艦が配備され、海軍力のさらなる強化が鮮明となっている。
日本の反撃能力保有と防衛政策の転換
今回のミサイル配備は、2022年末に閣議決定された「安保3文書」に基づく防衛力抜本的強化の象徴的な動きといえる。特に静岡県に配備される「島嶼防衛用高速滑空弾(HVGP)」の強化型は、その射程の長さから事実上の長距離弾道ミサイルに匹敵する能力を持つ。開発が進む強化型が実戦配備されれば、日本の領土から直接、中国沿岸部の軍事拠点や指揮管理施設を射程に収めることが可能となり、従来の「受動的な防御」から「能動的な抑止」へのパラダイムシフトを意味する。
日本政府はこれをあくまで「反撃能力」と定義し、他国からの攻撃を未然に防ぐための自衛の措置であると説明している。しかし、中国側はこの論理を真っ向から否定。蔣報道官は、日本の右翼勢力が再軍事化を加速させ、非核三原則の改変すら企んでいると批判を展開した。中国の視点では、日本の軍備拡張は平和憲法の精神を形骸化させ、東アジアにおける軍備競争を誘発する「暴走」と映っている。
この背景には、台湾海峡や南シナ海、東シナ海における地政学的な緊張の高まりがある。日本側は中国の急速な軍拡と威圧的な行動を「深刻な懸念」と位置づけ、防衛予算の増額と長距離火力の整備を急いできた。一方、中国は日本のこれら一連の動きを、米国が進める「対中包囲網」の一環として警戒を強めており、日中間の安全保障上のジレンマはかつてないほど深刻な局面を迎えている。
中国海軍の対抗措置と055型駆須艦の全戦区配備
中国国防部の激しい言葉による威嚇と歩調を合わせるように、中国軍も実力行使の誇示を強めている。注目すべきは、中国が「万トン級大型駆逐艦」と呼ぶ最新鋭の055型ミサイル駆逐艦の動静だ。官営メディアを通じて公開された東莞艦と安慶艦の東部戦区海軍への配備完了により、中国沿岸を守る北・東・南の全ての戦区海軍にこの強力な戦闘艦が揃ったことになる。
055型駆逐艦は、満載排水量が1.3万トンを超え、112セルの垂直発射システム(VLS)を備える。防空、対潜、対水上、さらには地上攻撃能力まで兼ね備えた、世界でもトップクラスの戦闘能力を誇る艦艇である。中国海軍にとって、この艦艇の全戦区配備は単なる戦力増強以上の意味を持つ。特に東部戦区は台湾や沖縄に近い海域を担当しており、ここに最新鋭艦が投入されたことは、日本の長距離ミサイル配備に対する明確な軍事的カウンターメッセージである。
中国側は、「軍備を拡張して戦争に走る古い道は自ら滅びを招く帰らざる道である」と日本を批判しているが、皮肉にも中国自身が海・空軍力の質的・量的拡大を猛烈な勢いで進めている。日本のミサイル配備が「盾」を強化する動きであるのに対し、中国の055型配備は「矛」をより強靭にする動きであり、双方が抑止の名の下に火力を強化し合う構図が鮮明となっている。
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