蘭裁判所がネクスペリアへ調査命令 中国親会社の支配権凍結を維持

オランダのアムステルダム控訴裁判所の商事裁判所は11日、同国に本拠を置く半導体大手ネクスペリア(Nexperia)の不正経営に対し、正式な調査を命じる裁決を言い渡した。これに伴い、親会社である中国の電子機器大手、聞泰科技(ウィングテック)による経営支配権の凍結や、中国籍の張学政最高経営責任者(CEO)の停職処分を維持することも決定した。欧州の暫定管理チームによる経営体制を継続させる方針であり、中蘭間の経済的・政治的対立は新たな局面を迎えている。

経営の透明性や商慣行を巡る重大な疑義

商事裁判所が今回、専門家2人による独立調査を命じた背景には、ウィングテックの支配下においてネクスペリアがオランダ経済省との合意事項を順守していなかったという強い疑念がある。裁判所は、欧州側の経営陣を不当に排除・解雇する措置を講じた兆候があると指摘した。

特に注目すべきは、米国による対中輸出制限への対応を巡る動きである。裁判所の声明によれば、張学政CEOが米国の輸出制限の脅威に対し、会社が本来取るべき対応戦略を独断で変更した可能性があるという。商事裁判所はこれらを踏まえ、「経営の透明性や商慣行に重大な疑義がある」と結論づけ、調査を命じた。調査期間は6カ月以上に及ぶ可能性があり、その間、ウィングテックは株主としての合法的な支配権を行使できない状態が続く。

中蘭対峙の激化と世界サプライチェーンへの影響

この判決に対し、ウィングテックは12日未明、無料通信アプリ「微信(ウィーチャット)」を通じて声明を発表し、「極めて失望しており、強い不満がある」と表明した。同社は、これまでの同裁判所の決定を「誤った決定」と断じ、あらゆる法的手段を通じて合法的な支配権とガバナンス権の回復を目指す方針を強調している。ウィングテック側は、自社の行動はすべて合法的かつ適正であり、ネクスペリアを過去に成功させてきた最大の原動力であると主張しているが、法廷側は現状、社内の安定と顧客への供給責任を果たすためには欧州チームによる監督が必要であると判断している。

一方、中国外務省の林剣報道官は12日の記者会見で、「問題の根源はオランダ側による不適切な行政介入にある」と批判。中国企業の正当な権益保護を支持する姿勢を鮮明にしており、問題は一企業の経営争いを超え、国家間の地政学的な対立構造を強めている。

ネクスペリアは自動車産業向け基礎チップの主要供給元であり、この混乱が長期化すれば、世界の自動車産業のサプライチェーンに悪影響を及ぼす恐れがある。オランダ政府が2025年9月に「コーポレート・ガバナンス」の問題を理由に実質的な接収に踏み切って以来、事態は沈静化するどころか、司法の場での全面対決へと発展している。今後の調査結果次第では、欧州における中国系半導体企業の活動がさらに制限される可能性もあり、国際的な半導体包囲網の行方が注視される。

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