米ロ最後の核軍縮枠組み「新START」が失効
米ロ間の核弾頭削減枠組み「新戦略兵器削減条約(新START)」が2026年2月5日、期限を迎え失効した。中国外務省はこれに遺憾を表明し、米国に対して条約の制限を順守し続けるというロシア側の提案に積極的に応じるよう呼びかけた。また、中国は現段階で核軍縮交渉に参加しない方針を改めて強調している。
ワシントンとモスクワ間の最後の核軍備管理条約が失効したことで、世界二大核大国への法的制限は完全に消失した。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、国際的な核秩序の崩壊を防ぐため、両国に対し速やかな新合意への署名を促しているが、事態打開の目処は立っていない。
トランプ政権の戦略とロシアの動向
トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領が提案した「1年間の自発的な順守継続」案を明確に拒否した。トランプ氏は自身のSNSを通じ、現行の条約を「米国にとって不利な条件で結ばれた不出来な合意」と断じ、核専門家を動員して「長期間有効で現代的な新条約」をゼロから策定すべきだと主張している。
ロシア側は、米ロが2010年に署名した同条約に基づく戦略核弾頭や運搬手段(ミサイル、爆撃機、潜水艦)の制限を維持することを望む姿勢を見せていた。クレムリンのペスコフ報道官は、米国が建設的な回答を示すのであれば、ロシア側は依然として対話を行う準備があるとしている。しかし、米国側の強硬姿勢により、代替となる枠組みの不在は決定定的となった。
中国の拒否姿勢と「戦略的誤認」の懸念
中国外務省の林剣副報道局長は定例記者会見で、中国の核戦力が米ロとは全く異なる次元にあることを理由に、多国間交渉への参加を拒否。中国は一貫して自衛防御の核戦略を堅持し、核兵器の先制不使用政策を厳守していると強調した。
しかし、この不透明な状況に対し、国際的な安全保障の専門家からは強い懸念の声が上がっている。新STARTの失効に伴い、これまで実施されてきたデータの相互交換や現地査察が途絶えたことで、各国が相手の戦力を過大に見積もる「戦略的誤認」が発生しやすくなるためだ。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)などの専門家は、意思疎通のパイプが失われたことが、不測の事態を招くリスクを指摘している。
三国間の核軍拡競争が現実味
法的拘束力のある制限が消滅した今、世界は新たな核軍拡競争の局面に入った。米国防総省は、中国が2030年までに核弾頭を1000発以上に急増させると予測しており、トランプ氏はこの「中国の脅威」を視野に入れた新しい軍備管理体制を求めている。
ロシアが新型戦略システムのテストを継続し、米国も自国の核戦力更新を急ぐ中、中国を含めた「三頭立て」の軍拡競争はもはや予測ではなく、現実の政策課題となっている。歴史的な核軍縮の流れが逆転し、再び「力の均衡」のみが安全保障を担保する不安定な時代へと回帰しつつある。
[出典]
美俄核武條約到期 中國:現階段不會參加核裁軍談判(中央通訊社)
美俄《新削減戰略武器條約》失效 特朗普:應制定核軍控新條約(香港01)
[関連情報]
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