ミャンマー北部の巨大詐欺組織「白家」幹部4人に死刑執行 中国が国外犯罪に異例の即決処罰


ミャンマー北部「四大家族」白家への電撃的な死刑執行

中国政府は2026年2月2日、ミャンマー北部コーカン自治区を拠点とする犯罪組織「白家犯罪集団」の主犯格である白應蒼、楊立強、胡小姜、陳廣益の4人に対し、死刑を執行した。これは先月末に執行された「明家犯罪集団」の11人に対する死刑執行に続く電撃的な処罰である。広東省深圳市中級人民法院は2025年11月3日、故意殺人、故意傷害、詐欺、麻薬製造・販売、誘拐、カジノ開設などの罪で、首領格の白所成を含む5人に死刑を言い渡していた。一審判決後、首領の白所成は病死したが、最高人民法院は残る4人の死刑を確定させた。執行直前には近親者との面会が行われ、ミャンマー国境地帯で長年権勢を振るった「四大家族」の一角が事実上瓦解した。

巨額の詐欺被害と武装勢力を背景とした組織犯罪の実態

最高人民法院の審理により明らかになった白家の犯罪規模は、現代の組織犯罪の中でも群を抜いている。白家はミャンマー北部に「百勝園区」や「蒼勝科技園区」などの大規模な詐欺拠点を自社開発・運営し、武装勢力の庇護下で中国市民を標的にした電信ネットワーク詐欺を組織的に展開していた。

  • 経済的被害: 賭博や詐欺に関わる資金は290億人民元(約6000億円超)に達している。
  • 人的被害: 組織的な暴力により中国市民6人が死亡、多数が負傷した。
  • 多角的犯罪: 詐欺以外にも、白應蒼受刑者はメタンフェタミン約11トンの製造・販売に関与するなど、麻薬ビジネスも組織の主要な資金源となっていた。

白應蒼はかつての取材に対し、父である白所成の軍・政界における絶対的な影響力を背景に、コーカン地区で最大の勢力を誇っていたことを認めている。白所成はかつて「コーカンの王」と呼ばれた彭家声の側近であったが、2009年に離反して自治区主席に就任。以来14年間にわたり同地区を支配し、犯罪組織を庇護する巨大な傘として機能していた。

異例の迅速な審判と中国の司法戦略

今回の裁判プロセスで特筆すべきは、その圧倒的なスピード感である。白家のケースでは、2025年9月の審理開始から2026年2月の執行まで、わずか4カ月半という異例の速さで司法手続きが完了した。これは明家事件の約11カ月という期間と比較しても極めて短く、中国当局が極端な電信詐欺犯罪に対して「一切容認しない」という強い姿勢を鮮明にしていることの証左といえる。

また、この背景には中国の高度な対外司法戦略が存在する。ミャンマー北部の犯罪組織幹部は多くが華僑・華人であり、中国の身分証を所有して生活拠点や資産を中国内に置いていた。中国政府はこれを根拠に、容疑者が他国の国籍や爵位を保持している場合であっても「元来の身分は中国公民である」と主張し、現地の武装勢力や政府に対して強硬に身柄引き渡しを要求した。この司法の実力行使は、カンボジアの詐欺グループ首領である陳志の国籍抹消と強制送還の例にも見られるように、近隣諸国への強い抑止力として機能している。現在、魏家や劉家といった他の有力家族のメンバーも相次いで公訴提起されており、今後も同様の厳格な極刑が適用されることは避けられない見通しである。

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