中国系航空会社の日中49路線が全便欠航、訪日ボイコット長期化へ

中国系航空会社が10月までの無料退改を決定、欠航率は5割に迫る

中国大陸で「史上最長の春節(2月15日〜23日)」と呼ばれる大型連休が目前に迫るなか、中日間の空の便が大幅な制限を受けている。フライト情報管理システム「航班管家」の統計によれば、2026年1月26日時点で、2月の中日航路のうち中国系航空会社が運行する49路線で全便欠航が決定した。1月の日本便欠航率も47.2%に達し、前月比で7.8ポイント上昇するなど、運休規模は急速に拡大している。

これに呼応し、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空などの大手各社は1月26日、日本路線の航空券を対象とした無料払い戻し・変更(退改)措置を2026年10月24日まで延長すると一斉に発表した。この期限は航空業界の「夏秋航空ダイヤ」の終了日と一致しており、航空各社が少なくとも今秋まで需要の回復が見込めないと判断している状況を反映している。

外交的対立の深刻化と渡航自粛勧告の表面的な理由

中国外交部および駐日中国大使館は1月26日、自国公民に対し、春節期間中の日本渡航を避けるよう改めて注意喚起を行った。当局はその理由として、日本国内の治安状況や犯罪の多発、地震リスク、および中国人への暴行事件の報告などを挙げている。

しかし、こうした「安全上の懸念」による渡航自粛は、台湾情勢などを巡る日中間の政治的・外交的対立が直接的に影響しているとの見方が一般的である。中国側は日本側の発言や政策に対して「レッドライン」を越えていると主張し、強い反発を示しているが、日本側は適切な主権行使および国際的な立場に基づいた行動であるとして、両国の主張は平行線を辿っている。この外交的な膠着状態が、中国が対日圧力を全方位に拡大 「新型軍国主義」批判と訪日ボイコットの狙いと背景に繋がっていると言える。

インバウンド需要への壊滅的打撃と長期化する経済損失

日本政府観光局(JNTO)が1月21日に発表したデータによれば、2025年12月の訪日中国人客数は前年同月比45.3%減の33万400人にまで落ち込んだ。この影響は国内の小売・観光業界に直撃しており、日本百貨店協会の発表では、同月の免税商品売上高は約4割減、2025年通年の免税売上高も4年ぶりに前年を下回る結果となった。

今回の「49路線全便欠航」と「10月までの無料キャンセル対応」は、春節の商機消失に留まらず、春節の訪日便3割超が欠航、日中関係悪化で予約激減 観光客の東南アジアシフト鮮明にという流れを決定づけるものだ。日中間の外交実務においても、在重慶日本総領事の空席が長期化 高市政権下の対立が外交実務を直撃といった懸念材料が依然として解消されていない。

中国側が国内で日本社会の不安定さを強調する報道を続けるなか、10月末までの運休長期化は避けられない情勢だ。日本の観光・航空業界は、他国からのインバウンド需要の多角化など、特定の市場に依存しない構造改革を急ぐ必要がある。

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