
米中首脳が異例の「年4回」接触へ、直接対話による安定化の狙い
米国のトランプ大統領は1月22日、スイスで開催されたダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)からの帰国途上、大統領専用機(エアフォースワン)内において、4月に中国を訪問する計画を明らかにした。同時に、中国の習近平国家主席も2026年末にアメリカを訪問する見通しであると言及。これにより、2026年は年間で最大4回もの首脳会談が開催される異例の外交スケジュールが浮上している。
かつて新型コロナウイルスのパンデミック期間中に最悪の状況まで冷え込んだ米中関係は、今や首脳同士の直接対話をエンジンとした新たな安定局面へと大きく舵を切った。今回の訪中表明は、単なる外交儀礼にとどまらず、激化していた経済摩擦の沈静化と、互いの国内政治における成果を誇示するための戦略的布石といえる。
経済紛争の回避と農業支援、実利を優先するトランプ流外交
トランプ氏は、習氏と「一貫して良好な関係にある」と述べ、首脳間の個人的な信頼関係を強調した。その具体的な成果として提示されたのが、中国による米国産大豆の大量買い付けだ。これは、トランプ氏の支持基盤である米国農家にとって極めて重要な実利であり、緊張緩和が経済的なメリットに直結していることを内外にアピールする狙いがある。
ベセント財務長官も、米中関係が現在「非常に良好なバランス」に達しているとの認識を示した。同氏の分析によれば、首脳が関係の基調を定めたことで、たとえ事務レベルで摩擦が生じても、首脳間のホットラインを通じて迅速に事態を沈静化できる体制が整いつつある。これは昨年まで見られたような全面的な経済・貿易紛争を回避し、予測可能な経済環境を維持しようとする両国の思惑が一致した結果である。
2026年の主要外交日程、深圳APECとマイアミG20が焦点
今後の焦点は、緻密に組まれた外交カレンダーの消化にある。ベセント氏が挙げたシナリオによれば、4月のトランプ氏訪中に続き、夏季には習氏がワシントン近郊(または海湖倶楽部)を訪問。さらに11月に中国・深圳で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、12月に米マイアミで開催されるG20サミットと、主要な国際会議の場が続く。
特にトランプ氏は深圳APECへの出席に強い関心を示しており、中国のハイテク拠点である同地を訪問する意味合いは大きい。一方で、[「米中関係は一層悪化」、在中米企業の51%が懸念]という調査結果もあり、産業界の一部には依然として根強い警戒感が残っている。このような懸念を払拭するためにも、頻繁な首脳接触による「対立の一時停止」が不可欠となっている。
現在、米中双方は[習・トランプ会談、米中対立の「一時停止」 関関税・レアアース・AI覇権を…]巡る議論を継続しつつも、決定的な破綻を避ける構えだ。ベセント氏が述べる通り、これほど密度の高い外交日程が組まれている以上、双方が現時点での決定的な関係悪化を望んでいないことは明白だ。今後の米中関係は、軍事・技術覇権を巡る構造的な対立を内包しつつも、首脳間の「取引」によって衝突を管理する、極めて高度なパワーゲームの段階に入ったといえる。
[出典]
- 川普:與習近平關係良好 4月將赴中國訪問(台湾中央通訊社)
- 特朗普:4月訪華 稱習近平今年底或訪美(香港01)
[関連情報]
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