
出生率が建国以来の最低を更新:1738年当時の水準まで落ち込んだ出生数
中国国家統計局が2026年1月19日に発表した最新データにより、同国の人口動態が危機的な「崖」に直面していることが明らかになった。2025年末時点の総人口は14億489万人で、前年末から339万人の純減となり、人口減少は4年連続となった。
特筆すべきは出生数の激減だ。2025年の新生児数は792万人と、前年の954万人からわずか1年で17%(162万人)も急落した。出生率は5.63‰(人口千人あたりの出生数)を記録し、1949年の建国以来の最低値を更新した。専門家は、この出生数は中国の人口が現在の約10分の1(約1.5億人)だった1738年頃の水準に相当すると指摘し、事態の異常さを強調している。
一方で、死亡者数は1,131万人に増加し、死亡率は8.04‰と1968年以来の最高水準となった。「生まれる子よりも亡くなる人の方が圧倒的に多い」という逆転現象が加速しており、人口の自然増加率はマイナス2.41‰という深刻なマイナス成長に陥っている。
結婚件数が史上最大の減少:若者が「産まない」のではなく「産めない」構造
この人口崩壊の最大の要因は、出生率の先行指標である「結婚」そのものが激減していることにある。2024年の結婚件数は前年比で約2割も減少し、統計史上最大の下げ幅を記録した。若者の間では、結婚や出産をあきらめる傾向がかつてないほど強まっている。
背景には、根深い経済的不安がある。
- 高すぎる生活・教育コスト: 長引く不動産不況と物価高が家計を圧迫し、子供を育てるコストが世界最高水準に達している。
- 不透明な将来: 若年層の高い失業率や将来の所得不安から、多くが家族を持つことを「リスク」と捉えるようになっている。
- キャリアとライフスタイルの変化: 高学歴化に伴い、自己実現やキャリアを優先する層が増え、旧来の家族観が崩壊しつつある。
政府は3歳未満児への育児手当支給や、公立保育所の無償化など、巨額の予算を投じて対策を講じているが、若者の不安を解消するには至っていない。
迫りくる労働力不足と社会保障の崩壊:経済への長期的ダメージ
急速な人口減少と並行して進む「超高齢化」は、中国経済の屋台骨を揺るがしている。60歳以上の人口はすでに全人口の23%を占め、2035年には4億人に達すると予測されている。
この現実は、以下の重大なリスクをはらんでいる。
- 労働力人口の急減: 数億人が労働市場から退出することで、賃金コストが上昇し、中国の製造業における国際競争力が低下する。
- 年金システムの危機: 支え手である現役世代が減り、受給者が増え続けることで、公的年金制度の維持が極めて困難になる。
- 内需の縮小: 若い消費者の減少は、長期的な国内市場の停滞を招く恐れがある。
国連の予測によれば、中国の人口は2100年までに6.33億人〜8億人程度にまで半減する可能性がある。かつて中国の爆発的成長を支えた「人口ボーナス」は完全に消失し、今や国家の存立を脅かす最大の懸念材料となっている。
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