2025年12月23日、日中関係の不断の悪化を背景に、中国当局が国内航空各社に対して日本便の大幅な削減を要求したことが明らかになった。フライト情報プラットフォーム「航班管家(Flight Master)」の統計によれば、今後2週間で日中路線のうち46路線において、すべての運航がキャンセルされる見通しだ。

来月(2026年1月)の中国本土発日本行きのフライト欠航数はすでに2195便に達しており、欠航率は40.4%という極めて高い水準に上っている。この大規模な運休は、中国国際航空、中国東方航空、海南航空、厦門航空、四川航空などの中国籍キャリア全般に及んでおり、航空史上でも稀に見る規模の制限となっている。
地方路線を中心に「フライト・ゼロ」が相次ぐ背景
今回の運休対象は、上海、杭州、成都、重慶、広州など中国側の26都市と、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡、沖縄など日本の18都市を結ぶ広範囲なネットワークに及ぶ。特に影響が顕著なのは地方路線であり、瀋陽ー大阪、南京ー福岡、武漢ー大阪、上海ー岡山といった路線では、今後2週間の欠航率が100%、つまり「一架も飛ばない」状態が確定している。
背景には、11月に日本の政治家が言及した「台湾有事」に関する発言や、防衛費総額が過去最高を更新した補正予算案の可決など、政治的緊張の激化がある。中国官製メディアは、日本が侵略の歴史を反省せず軍備拡張に走っていると強く批判し、近隣諸国に対して実際の行動で誠意を示すよう要求している。こうした政治的摩擦が、日中関係悪化による旅行需要の急減や、航空券50万枚のキャンセルといった実体経済への深刻な打撃に直結した形だ。
三大航空会社の経営危機と2026年までの見通し
日本路線は中国の航空各社にとって、最も収益性の高い「ドル箱」路線であった。しかし、今回の大量運休により、各社の経営再建計画は根本から揺らいでいる。中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空の三大航空会社は、2020年から2024年にかけて累計2064億人民元(約4兆円超)という巨額の赤字を計上している。
2025年度はパンデミック後初の通期黒字化を目指す重要な年であったが、今回の事態によりその達成は極めて困難となった。11月の訪日中国人客数は前年比3%増と、当初予測の10%増を大幅に下回る急減速を見せている。中国による対日制限の一斉強化は、航空・旅行業界のみならず文化交流にまで広範な影響を及ぼしている。
航空各社は、日本路線で浮いた輸送力をタイ、韓国、あるいはビザ緩和が進むロシアなどへ振り向けることで損失の補填を図っている。しかし、東南アジア路線などはすでに供給過剰による価格競争が激化しており、日本路線ほどの利益率は期待できない。アナリストの分析によれば、こうした採算性の低い状況による経営への下押し圧力は、次の大きな需要期である2026年初頭の春節まで続く見通しだ。累計赤字が依然として巨額であることから、航空各社が安定的な収益構造を取り戻すまでには、さらに長い年月を要する可能性が高い。
[出典]
[関連情報]
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