不動産悲観論に是正圧力 北京・上海がネット言論を是正、市場不安の沈静化狙う

不動産悲観論に是正圧力

中国の不動産市場が長期低迷を続ける中、北京と上海の当局は2025年12月に入り、インターネット上で市場の先行きを過度に悲観視し、市場不安をあおる情報への是正を相次いで強化している。北京市住宅都市建設委員会は、一部の個人発信アカウントが虚偽情報を拡散し、市場秩序を著しく乱しているとして、強い警戒感を示した。

北京市住建委は12月17日夜、ネット生態のガバナンス強化を目的に、市共産党委員会インターネット弁公室や市公安局などと合同で、抖音、小紅書、貝殻、58同城、閑魚、鏈家、我愛我家、麦田などのインターネットプラットフォームを事情聴取した。
北京の不動産市場の先行きを過度に悲観視する内容の発信や、虚偽情報の拡散架空の物件情報を使った集客行為が確認されたとし、各平台に対し全面的な自己点検と違反情報の即時削除、常態化した内部審査体制の構築を求めた。

北京市住建委によると、12月12日までに、関係プラットフォームは違法・違反および不良情報1万7000件余りを削除し、違反した不動産関連アカウントやライブ配信ルーム2300件余りを処分した。


上海でも同様の是正行動

是正の動きは北京にとどまらない。上海市共産党委員会インターネット弁公室は12月初め、ネット上で流通する不動産情報の是正に着手し、小紅書や嗶哩嗶哩に対し、不動産暴落論などの不良情報の自主点検と削除を指導した。
国家インターネット弁公室上海分局は12月2日、特別行動により4万件超の投稿と7万件超の関連アカウントを処分したと明らかにしている。

当局は「不動産価格が間もなく急落する」「市場は崩壊する」といった表現は、政策調整を誤って解釈したもので、市場心理を不安定化させると指摘する。こうした情報拡散を放置すれば、取引の停滞や消費者心理のさらなる悪化を招く恐れがあるとの認識だ。


背景にある深刻な不動産不況

中国国家統計局のデータによれば、不動産開発投資や住宅販売は減少基調が続いており、市場の回復はなお見通せない。不動産大手の万科では債務問題が再燃し、「不動産大手の万科、デフォルト懸念強まる」AlertChina)といった報道も出ている。
経営再建中の不動産開発会社は20社に上り、債務総額は12兆元に達するとの分析もある(AlertChina)。

不動産不況は社会不安にも波及しており、抗議活動の増加AlertChina)との関連性を指摘する声もある。こうした状況下で、当局がネット言論の是正に踏み切ったのは、市場心理の悪化を食い止める狙いがあるとみられる。


政策意図と今後の焦点

今回の是正は、単なる情報管理にとどまらず、不動産市場の安定化を図る政策対応の一環と位置付けられる。虚偽情報や誇張表現を排除することで、市場参加者の過度な不安を抑え、政策効果が市場に浸透する時間を確保する狙いがある。

一方で、実体経済としての不動産不況が解消されない限り、言論是正だけで市場心理を立て直すのは難しいとの見方も根強い。今後は、金融支援策や住宅需要喚起策と並行して、情報管理と市場対策がどこまで連動するかが焦点となる。


[出典]
・聯合報
https://udn.com/news/story/7333/9210732?from=udn-catebreaknews_ch2
・自由時報
https://ec.ltn.com.tw/article/breakingnews/5266549
・新浪財経
https://finance.sina.com.cn/tech/digi/2025-12-17/doc-inhccsnc6983301.shtml

[関連情報]
・不動産大手の万科、デフォルト懸念強まる
https://www.alertchina.com/post-33826/
・経営再建中の不動産開発会社20社、債務12兆元
https://www.alertchina.com/post-18932/
・中国の抗議活動、10カ月で1308件
https://www.alertchina.com/32188038-2/

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