香港で最も歴史の長い民主派政党である民主党が2025年12月14日、特別党員大会を開き、解散および清算を正式に決議した。1994年の結党以来30年にわたり、香港の民主化運動を代表してきた政党の活動終了は、香港政治の大きな転換点となる。
民主党は英国統治末期に、香港の主要な自由主義系団体を母体として誕生した。返還前後の香港で、市民による民主的選挙制度の確立、言論や集会の自由の擁護を掲げ、立法会を中心に民主派の中核を担ってきた。香港社会の制度改革や政治的議論の場において、民主党は長年、象徴的な存在であり続けた。
国安法施行後に急速に狭まった民主派の政治空間
しかし、2019年に「逃亡犯条例改正反対(反送中)」運動が広がると、北京当局は香港への統制を段階的に強化した。2020年に香港国家安全維持法が施行されると、政治活動の環境は大きく変化し、民主派勢力は急速に弱体化した。多くの民主運動関係者が拘束、起訴、あるいは海外に移住し、政党活動そのものの継続が困難な状況に追い込まれた。
民主党は2025年2月、解散手続きの開始を正式に表明していた。12月14日の特別党員大会では、清算が反対なく可決され、党本部の整理も年内に進められる見通しが示された。羅健熙主席は記者会見で、解散は「苦渋の決断」でありながらも「現実的かつ理性的な判断」だったと説明し、30年にわたり党を支えてきた市民への感謝を述べた。
会場では、前党首や創党メンバーから、香港における自由や人身の安全が縮小してきたことへの懸念が相次いだ。民主党の解散は、単なる一政党の終焉にとどまらず、香港における民主派政治の制度的な後退を象徴する出来事として受け止められている。
今回の決定は、民主派メディア大手の創業者である黎智英被告の判決言い渡しを翌日に控えた時期と重なった点でも注目を集めた。人権団体や海外メディアは、民主党解散と黎智英裁判を、香港における政治的自由の縮小を示す一連の流れとして捉えている。一方、香港当局は一貫して、法と証拠に基づく対応であるとの立場を崩していない。
香港民主党の解散により、制度政治の場で民主派が果たしてきた役割は大きく後退することになる。民主や自由を掲げた活動が今後どのような形で継承されるのかは不透明だが、30年にわたる民主党の歩みは、香港社会の記憶の中に刻まれ続けることになる。
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