中国でインフルエンザ急拡大 A型H3N2中心に三種同時流行、学校で集団感染増加

■ インフルエンザが急速拡大 A型H3N2中心に三種同時流行

2025年11月21日、国家衛生健康委員会が記者会見を開き、中国疾病予防管理センター(中国疾控中心)の彭質斌研究員は、中国本土のインフルエンザ活動が急速な上昇期に入り、一部の省ではすでに流行が非常に高い状態に達していると説明した。
香港メディア on.cc(11月22日報道)でも、学校や託児所での集団感染が顕著に増加し、全国的に流行規模が拡大していると伝えられた。

監視データによれば、2025〜2026年シーズンの主流株はA型H3N2で、A型H1N1とB型インフルエンザが同時に流行する「三者併存」の状況にある。前シーズンではA型H1N1が主流だったが、今季はH3N2が圧倒的で、変異(抗原漂移)による株の入れ替わりが進んでいる。ただし彭氏は「未知の病原体は確認されていない」と述べ、季節性インフルエンザの範囲内である点を強調した。

中国疾病予防管理局は11月10日の会見で、今冬のピークは12月中下旬から2026年1月初旬にかけて訪れる可能性を指摘した。全国の流行度合いは「中」レベルにある省が23、省により差はあるものの、南方地域で流行が強いという特徴がある。

教育機関では、5〜14歳の陽性率が他の年齢層より明らかに高く、彭氏は「学校での欠席状況の監視が重要だ」と述べた。感染者の増加により、保育施設・学校などでの集団感染例は全国的に急増している。


■ ワクチン接種と衛生習慣の「二重防御」を提案

彭質斌研究員は、季節性インフルエンザを抑制するために**「ワクチン+衛生習慣」**の二重防御策を提示した。

  • ワクチン接種で感染・重症化リスクを低減
  • 公共物に触れた後の手洗い
  • 消毒用ウェットティッシュの活用
  • マスク着用、咳エチケット
  • 口・鼻・目の粘膜部位を手で触らない
  • 室内の換気を徹底

さらに、発熱・咳・鼻水などの症状がある場合は外出を控え、他者への感染を防ぐよう求めた。学校・保育施設・介護施設では、健康監視、環境清掃、換気の強化を行い、生徒や教職員が病気のまま登校・出勤しない体制づくりが必要とされる。

A型H3N2が優勢な今季の流行は、中国国内の医療現場や地域社会に広く影響を及ぼしており、特に子どもの感染拡大が目立つ。今年のピークを前に、各地で早期の対策が急がれている。


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