中朝関係強化 李強首相、16年ぶりに北朝鮮を公式訪問 金正恩氏と会談し「戦略的意思疎通を強化」

■ 80周年式典に出席 平壌空港で盛大な歓迎

中国の李強(り・きょう)国務院総理は2025年10月9日、朝鮮労働党創建80周年を記念する祝賀式典に出席し、同時に公式友好訪問を行った。訪問は朝鮮労働党中央委員会と北朝鮮政府の招待によるもので、李首相は中国党・政府代表団を率いて専用機で平壌に到着した。

平壌の順安国際空港では、朝鮮労働党中央政治局常務委員で内閣総理の朴泰成(パク・テソン)氏が出迎え、軍楽隊が両国の国歌を演奏。李首相は儀仗隊を検閲し、中国駐朝大使の王亜軍氏も同行した。

李首相は空港での演説で「中朝は深い伝統的友好関係で結ばれており、習近平総書記と金正恩総書記の戦略的指導のもと、新たな活力を得ている」と述べ、「戦略的意思疎通を強化し、両国の協力を深化させ、地域と世界の平和・安定・繁栄に貢献する」と強調した。


■ 金正恩氏「朝中関係は揺るぎない」 協力深化を確認

金正恩総書記は李強首相との会談で、習近平総書記への誠実な挨拶を託し「習総書記の指導の下、中国は社会主義建設で偉大な成果を上げている」と称賛。「朝中関係はどんな国際情勢にも動じない。友好協力を発展させることは朝鮮政府の揺るぎない立場だ」と強調した。

両首脳は、高層レベルでの往来を密にし、社会主義建設の経験共有や経済分野での協力強化、国際舞台での多国間協調を推進することで一致した。


■ 10日に閲兵式、習近平氏の動向も焦点

李首相は10日に行われる記念式典と閲兵式に出席予定。金正恩氏が9月に北京での軍事パレードに出席しており、習近平氏が平壌での閲兵式に出席するかが注目される。韓国では、10月末に慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に、習近平氏の訪韓実現を模索している。


■ 中国首相の訪朝は16年ぶり

中国首相の北朝鮮訪問は2009年10月の温家宝首相以来16年ぶり。当時は両国国交樹立60周年を祝う行事に参加し、故・金正日総書記と会談した。今回の訪問は、長年の「血盟」とされる中朝関係を改めて強調すると同時に、地域安全保障環境に影響を与える外交イベントとして位置づけられている。


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