蘇州の遊園地でジェットコースター急停止 強風で安全装置が作動、乗客が高所から恐怖の避難

強風で安全装置が作動、乗客が整備階段から避難

江蘇省蘇州市の陽澄半島遊園地で10月4日午後、ジェットコースターが運行中に突然停止するトラブルが発生した。園側によると、当日の強風によって安全保護システムが自動的に作動し、車両が坂を上りきる直前で停止したという。

SNS上には、停止した車両が高所で止まり、乗客がスタッフの誘導で整備用階段を一列になって下りる様子を撮影した動画が相次いで投稿された。高さは十数メートルに達し、乗客は慎重に足元を確認しながら避難した。けが人は確認されていない。


園側「安全装置が正常作動」 謝罪と補償を実施

現場での対応後、遊園地側は影響を受けた乗客に謝罪と補償を行った。中国メディア「大風新聞」によると、補償の詳細は公表されていないが、運営会社は「システムは正常に作動し、これは安全を守るための標準的な停止措置」と説明した。

取材に応じた職員は「当園のジェットコースターは非常に高感度に設計されており、風速が基準を超えると自動的に運転を停止する」と述べた。現場対応はその日のうちに完了したが、補償処理などは別の部署が担当しているという。


ネット上では安全評価に賛否両論

この出来事は中国版SNS「微博」などで広く拡散され、話題を集めた。多くの利用者は「安全装置が作動して良かった」と理解を示した一方、「風の強い日は運休を明示すべき」「利用者への説明が不十分」との批判も見られた。

中国では遊園地の安全管理に関する問題がたびたび指摘されている。近年では、以下のような類似のアトラクション事故が相次いで発生している。

こうした事故の頻発により、中国国内では遊園地の安全点検制度や運行基準の強化を求める声が高まっている。


安全運行への意識高まる中でのトラブル

陽澄半島遊園地は蘇州近郊の観光地として人気が高く、国慶節の大型連休中は多くの家族連れでにぎわっていた。今回のトラブルは、ちょうど「ゴールデンウィーク」にあたる繁忙期に発生し、安全運営への注目が一段と強まった。

園側は「今回の事案を教訓に、より明確な安全提示と運営情報の公開を進める」とコメントしている。



安全文化の定着が課題

中国国家市場監督管理総局は2024年以降、遊園地施設の老朽化対策や安全検査の頻度を引き上げており、遊具メーカーにも設計基準の見直しを求めている。だが、地方の小規模施設では依然として整備が追いつかないケースも多い。

蘇州の今回の事例は、**「システムが正常に作動して事故を防いだ」**という意味で安全性の高さを示した一方で、運営側の説明責任や情報開示の課題を浮き彫りにした。安全への取り組みと透明性の両立が、今後の中国のレジャー業界に求められている。

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