
3機を取り換えても出発できず 13時間の長時間遅延
中国の民営航空会社、吉祥航空(Juneyao Airlines)の国際線HO1625便が、3機を連続で取り換えながらも離陸できず、13時間以上の遅延の末に大阪・関西国際空港へ到着した。航空会社は「会社側の原因による遅延」と認め、現金補償を実施した。
当初、HO1625便は10月2日午後4時20分に北京大興空港を出発し、同日午後8時20分(日本時間)に大阪に到着する予定だった。しかし、運航予定機が前便の到着後に機器トラブルを起こし、離陸できなかった。午後5時30分には上海発北京行きの機体を代替として手配したが、乗客が搭乗バスに向かった段階で「この機体も故障で飛べない」と告げられた。
午後11時30分には3機目への搭乗案内が出たものの、これも不具合のため離陸できず、乗客は空港で一夜を明かす事態となった。
フライト情報アプリ「航旅縦横」によれば、HO1625便は翌3日午前6時25分に北京大興空港を離陸し、午前9時44分に大阪へ到着した。遅延時間は13時間24分に及んだ。SNS上では「3機を乗り換えても飛べなかった」「夜通し空港に足止めされた」といった投稿が相次ぎ、映像も拡散された。
吉祥航空のカスタマーサービスは3日午後、「システム上では会社側の原因による遅延と表示されているが、詳細は確認中」と説明。現場では乗客に現金補償を行ったとし、金額は非公表。中国メディアによると、補償は空港で直接手渡しされたという。
上海拠点の中堅航空会社、安全体制に注目
吉祥航空は上海を拠点とする中堅の民営航空会社で、中国東方航空グループの関連企業。国内外に多数の定期便を持ち、北京大興―大阪関西線は主要国際路線の一つとされる。近年は国際線の拡大を進めているが、運航トラブルの報告もあり、今回の事例は整備体制や安全管理への関心を高めている。
「極目新聞」や香港「東網」によると、乗客の一部は「3回も機体が故障するとは信じられない」「補償よりも安全の説明を」と不満を口にした。SNSでは「今後この路線の利用を控える」といった書き込みも見られ、同社への信頼に影響が出ている。
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