江蘇省連雲港のホテルで屋根崩落 宴会中の4人負傷、国慶節と中秋節連休中の悲劇

2025年10月2日午前11時ごろ、中国江蘇省連雲港市東海県牛山街道・富華西路88号にあるホテル「名家厨房酒店」の3階屋根部分が突然崩落した。当時、店内では4組が披露宴など宴会を開いており、そのうち3組が被害を受けた。4人が閉じ込められて負傷し、消防・公安・応急管理部門が救出して病院に搬送した。

東海県応急管理局は、崩落後すぐに緊急対応を行い、午後1時までに全員を救出したと発表している。現在も事故原因の調査が続けられており、建物の構造や管理体制に関する問題が焦点となっている。


参列者が語る現場の混乱

崩落の瞬間、会場は一瞬で混乱に包まれた。ある女性は「親戚の結婚式に出席していたが、屋根が何の前触れもなく崩れてきた。式は始まる前で、自力で這い出したが家族の一人が負傷し入院している」と証言した。

また、別の参列者は「まだ乾杯もしていないうちに崩れた。瓦礫に直撃されて頭に痛みが残っている」と話した。ホテル従業員も「午前11時半に冷菜を出した直後に崩落が起き、3階屋根の柱や棚、装飾が一気に落下した」と振り返る。


国慶節と中秋節の大型連休中に発生

事故は、中国全土で外食や旅行需要が高まる国慶節と中秋節を兼ねた8日間の大型連休の2日目に発生した。この時期は宴会や婚礼需要が急増し、飲食店やホテルが繁忙を極める。そんな中での突発事故は、多くの人々に衝撃を与え、SNS上でも広く拡散されている。


名家厨房酒店とその背景

「名家厨房(東海店)」は、連雲港市内でも規模の大きい飲食店で、商業施設「世茂広場ホテル」複合ビル内に位置している。運営会社は「連雲港庚楚餐飲管理有限公司」で、2019年3月に設立された。食品営業許可を取得しており、結婚披露宴や大型宴会で多く利用されてきた。

しかし今回の事故で、施設の安全基準や建築管理への不信感が一気に高まっている。


中国各地で相次ぐ崩落事故

今回の連雲港事故は単発の出来事ではない。中国各地では近年、施設の崩落事故が相次いでいる。例えば、四川省ではイベント会場で大型テントが崩落し2人が死亡【関連報道:四川イベント会場のテント崩落】。河南省でも公共浴場の建物が崩壊し死者が出ている【参考:河南の浴場崩落事故】。

さらに、上海の七宝鎮では複数の店舗で看板が連続して落下する事故が発生し、市民を震撼させた【内部リンク:上海・七宝鎮で看板崩落】。また、黒竜江省の体育館では屋根が崩落し、バレーボール部の生徒を含む11人が死亡する惨事となった【内部リンク:体育館の屋根崩落事故】。

これらの事故は、建物や設備の老朽化、安全基準の甘さ、管理不備といった共通の課題を浮き彫りにしている。


今後の調査と安全強化への期待

連雲港当局は「事故原因は現在も調査中」としているが、今回の件を契機に、建築物や公共施設の点検強化、飲食店やホテルの安全監査の徹底が求められている。特に、国慶節や中秋節など利用者が集中する時期には、再発防止策の迅速な実行が不可欠だ。

地域社会に大きな衝撃を与えた今回のホテル崩落事故は、中国における公共安全の課題を改めて突きつけている。

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