
台湾メディアの中時新聞網などによると、中国の習近平国家主席が3日、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記とともに北京で開かれた軍事パレード(九三閲兵)に出席した際、長寿や不老をめぐる会話が偶然マイクに拾われた。習氏が「人類は今世紀に150歳まで生きられる可能性がある」と語った発言が広がり、中国のSNSで大きな注目を集めた。
ロイター通信によると、プーチン氏の随行通訳が「生物技術が進めば、人間の臓器は繰り返し移植でき、若返りや長生き、さらには不老も可能になる」と話し、習氏がこれに応じて「予測では人間は150歳まで生きられる」と述べた。
このやりとりが拡散すると、SNS「X(旧ツイッター)」の著名アカウント「李先生はあなたの先生ではない」が、中国版SNS微信(WeChat)で「150」の検索量が3日に異常な伸びを示したと指摘した。微信指数によると検索件数は336万8513回に達し、前日比9650%超の急増となった。
台湾メディアのNewtalkによると、SNS上では、2019年に中国人民解放軍総医院(301医院)が微信広告で紹介したとされる「981首長健康工程」が再び注目を集めた。同計画は中国共産党最高指導部向けに特別な医療サービスを提供し、寿命を150歳まで延ばすことを目標に掲げたと伝えられる。健康促進、若返り、150歳長寿の3つの工程を柱とし、2005年に始動したとみられるが、関連情報の多くは現在削除されている。
長寿への執着は過去の指導者にもみられた。1966年には「毛沢東は140~150歳まで生きられる」とする報道が出たこともある。こうした「長生き幻想」は政治権力の延命とも重なり、注目を浴びてきた。生き永らえることは単なる健康の問題にとどまらず、権力を長期にわたり握り続ける意図とも結びついているとの見方が強い。
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