中国メディアの粤港澳都市網によると、広東省疾病予防管理センターは3日、デング熱の監視週報を公表した。8月25日から31日までに省全体で177件の感染者が確認され、そのうち164件が地元での感染だった。1週間前の8月18日から24日にも143人が確認されており、感染者は増加傾向にある。

地元感染は広州市の50人、深セン市の31人、潮州市の23人、仏山市の14人、中山市の11人など。輸入症例は深セン市3人、広州市、東莞市、中山市の各2人など。同センターは、広東省がデング熱の多発地域とされ、毎年5月から11月は流行期にあたり、感染の拡大が起きやすいとして注意を呼びかけた。
南方日報網によると、一方、チクングニア熱は8月24日から30日までに本地感染の225人が新たに見つかった。重症例や死亡例はなかった。確認場所は仏山市の119人、広州市の49人、深セン市の16人など。
広東省疾病予防管理センターの康敏氏は「直近の感染状況は全体として安定している」と述べた。ただし「世界的にチクングニア熱の流行が続いており、海外からの輸入リスクは引き続き存在する。省内の大部分は蚊が活発な時期にあり、台風や降雨の影響も加わるため、防疫の警戒を緩めることはできない」と述べた。
デング熱とチクングニア熱はいずれも蚊を媒介とする急性の感染症で、発熱や発疹、筋肉痛、関節痛などを伴い、重症化すれば出血や死亡につながる恐れがある。当局は市民に対し、日常的に蚊の発生源を除去するとともに、家庭や屋外での防蚊対策を徹底するよう呼びかけている。
◇出典
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