中国不動産大手の恒大集団(エバーグランデ)の株式が8月25日、香港証券取引所で正式に上場廃止となり、約16年にわたる上場企業としての歴史に幕を下ろした。台湾メディアのNewtalk新聞などが伝えた。

恒大の経営破綻は、中国の不動産市場に広がった「債務不履行の連鎖」と「未完成住宅問題」の象徴となっている。巨額債務を最終的に誰が負担するのか、また購入者が入居できないまま放置されている住宅の処理をどう進めるのかが、中国当局にとって大きな課題となっている。
英BBC放送によると、恒大はかつて中国最大規模の不動産会社で、時価総額は最盛期に500億ドルに達した。創業者の許家印氏は中国首位の資産家の座に就いたこともある。しかし、同社は過剰な債務を背景に急速に事業を拡大した結果、2021年に財務危機が表面化し、中国不動産市場の不況を象徴する存在となった。
香港高等法院は2024年1月29日に恒大へ清算命令を発出し、取引は停止に追い込まれた。命令前の株価は1株0.163香港ドルにまで下落し、時価総額は21億5200万香港ドルに縮小していた。今年8月12日、恒大は25日に上場廃止となることを発表し、香港取引所の上場委員会の決定について再審を申し立てない方針を示していた。この時点で上場廃止が確定した。
恒大の負債総額は2.4兆人民元(約7.3兆円)にのぼる。誰が最終的にこの債務を負担するのか、また数十万戸に及ぶ未完成住宅の購入者がどう救済されるのかが、大きな社会問題となっている。
かつて栄華を誇った恒大が退場に追い込まれたことは、中国不動産市場の深刻な低迷を浮き彫りにしている。碧桂園など他の大手開発業者にも危機が広がり、大量の未完成住宅が各地で問題化している。
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