米民間シンクタンク「プロジェクト2049研究所」のイアン・イーストン研究員はこのほど、中国人民解放軍が2020年までに台湾への武力侵攻を計画していると指摘する書籍「中国侵略の脅威」を出版した。台湾総統府は、学術論文であるとしてコメントを避けたが、台湾軍は「中国の軍事行動を厳しく監視する」と述べた。4日付香港星島日報が伝えた。
同書によると、中国軍が最新の内部文書で20年以前の台湾武力侵攻計画を明らかにした。計画では台湾に対し海空の封鎖とミサイル攻撃、水陸両用部隊の上陸、台湾本島内での戦闘の3段階で侵攻を行う。投入する総兵力は40万人に上る。
同書は「中国の主要目標は、衝突の際、台湾に対し圧倒的な軍事的優勢を確保すること。必要なら、米軍が主導する連合軍も粉砕する」と指摘した。
同書は一方で、台湾の地理的状況から中国の海空軍は、劣悪な気象条件に直面する恐れがあると指摘。中国軍の台湾侵攻作戦が失敗する可能性は高いものの、戦争計画は進んでいるとした。
中国のニュースサイト環球網によると、中国の専門家は「イーストン氏の研究は、台湾と米国の軍情報機関に向けたもの。台湾による米国製兵器の購入を促す一方、米台の軍事的連携を強化することが目的だ」と話している。