香港政府の捜査機関、廉政公署は23日、香港・マカオと中国本土を結ぶ「港珠澳大橋」の工事に絡み、材料のコンクリートの耐圧試験結果を偽造したとして、関係者21人を拘束したと発表した。香港では橋の安全性に対し疑問の声が上がっている。香港蘋果日報などが伝えた。
同署によると21人は香港からコンクリートの耐圧試験の委託を受けた企業幹部や研究室の技術スタッフら。工事を監督する香港政府土木工程拓展署に虚偽の検査結果を報告していた。21人は既に保釈されている。
廉政公署は橋の安全性についても、土木工程拓展署とともに調査を進める。香港政界や市民からは、橋で手抜き工事が行われた可能性があり、最終的に建設工事のやり直しになるとの見方も出ている。
橋は完成が数回延期された後、5月に全線開通を宣言したばかり。早ければ今年末に車の通行が始まると見られていた。中国の李克強首相は今年3月の全国人民代表大会(国会)で、「広東・マカオ・香港を一体化する経済圏構想(粤港澳大湾区経済帯)実現の重要施設として橋を取り上げた。
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