亡命中のチベット仏教の精神的指導者、ダライ・ラマ14世が1日、インド北東部のインド北東部のアッサム州に到着した。中国との国境紛争地帯であるアルナーチャル・プラデーシュ州の訪問を予定している。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
アルナーチャル・プラデーシュ州は、インドが実効支配している。中国はインドの領有を認めておらず、ヒマラヤ東部の同州を「蔵南」(チベット南部)と呼んでいる。
中国は、外国はもちろんインドの指導者による同州訪問も、インドの領有権の主張を支持するものとして反対してきた。
中国の外交部の陸慷報道局長は3月31日、定例記者会見で「ダライ・ラマ訪問の深刻さと中印国境問題の敏感さはインドの指導者もはっきり分かっている。インドが、ダライ・ラマに中印の国境紛争地域訪問をさせたことは、両国関係を著しく損なう」と述べ、強く反発した。
インド外務省報道官は31日「ダライ・ラマは宗教指導者だ。その行動に、政治的な解釈を加える必要はない」と語った。
(参考)http://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/5-04022017134212.html