米国海軍が、原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする艦隊を南シナ海に派遣するとの情報が14日に流れた直後、解放軍報など中国メディアが15日、中国南海艦隊が同海で陸上、航空部隊と合同演習を行ったと報じた。台湾中央社が16日伝えた。
解放軍報によると、演習で防衛側は、外周を海軍航空隊の戦闘機2機が固め、中距離を南海艦隊のミサイル駆逐艦が警戒、近距離は陸上防空部隊が守るという3層の防衛網を構築した。
参加した艦艇は、ミサイル駆逐艦「052D長沙」「052C海口」、補給艦「馬湖」で、10日、海南省三亜市の軍港を出発。南シナ海、東インド洋、西太平洋などで遠洋訓練を行った。ヘリ3機、特殊部隊数十人も随伴した。 解放軍報が伝える陸上防空部隊は、西沙諸島(パラセル諸島)永興島(ウッディー島)の「紅旗9」防空隊と、南沙(スプラトリー)諸島の新造の人工島に設置した76ミリ速射砲、30ミリ機関砲の部隊とみられる。
米海軍専門誌「ネイビー・タイムズ」は、米国防総省関係者3人の話として、カール・ビンソンを中心とする艦隊が南シナ海に向かっており、航行の自由作戦(FONOPS)を実施すると報じた。空母艦隊は、南沙(スプラトリー)諸島、西沙諸島(パラセル諸島)に中国が造成した人工島から12カイリ以内を航行する可能性がある。