ロシアで中国メーカー車の人気ガタ落ち、頼りない安全性があだ、ロシア政府の差別も

 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ロシアで中国メーカー製の自動車の人気が急落しており、今後も回復が困難との見方を、ロシアの自動車専門誌アブトレブが13日伝えました。「綿あめ」とやゆされる頼りない安全性のほか、ロシア政府による差別的な政策も背景にあるとみられます。

 同誌によると、中国メーカー製の自動車の販売台数は、2016年9月には前年同月比38%減の2570台でした。8月は前年同月比40%減、7月は36%減で、減少は9月だけの現象ではない。ただ、力帆実業(集団)股フェン有限公司(本社・中国重慶市)の車は、1~9月は前年同期比35%増の1万2034台で、中国メーカー車の半数を占めています。

 中国メーカー車の売れ行き不振原因の1つは、自動車ローンが受けにくいこととのことです。中国メーカー車の購入者は、ロシアでは低所得者層が多いが、経済が低迷する中、ロシアの金融機関はこの層への融資に慎重になっているということです。

 また、ロシア政府は昨年と今年、自動車業界に850億ルーブル(約1400億円)の補助金を支給したが、独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車、日産自動車、韓国起亜自動車に限られ、中国メーカーは対象外でした。

 さらに、安全性への懸念も大きな要因。ロシアの自動車専門家は「2015年、中国の吉利汽車と奇瑞汽車の製品の安全性を国際規格で検査したところ、鋼板が綿あめのようで、衝突の際は後部座席の位置まで潰れた。運転手の生存可能性はゼロだと分かった」と話しています。

 

 ロシアの運転手は、猛スピードで走るのが好きで、それだけに自分の安全にだけはことのほか、気を使うのだそうです。

 

(参考)http://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/junshiwaijiao/lxy1-10132016105229.html

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