台湾の蔡英文総統は2日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの単独インタビューで、中国本土が強め続けている圧力に台湾は屈しないなど述べました。同紙が5日報じました。(写真は同紙中国語版のキャプチャー画面)
蔡総統は一方で、中国との対決はしないと明言し、中国政府に対し、誤解を解くため、条件を付けず台湾政府と対話を行うよう呼び掛けました。
蔡総統は「中国は誤解しても、情勢判断を誤り、圧力を掛ければ台湾人が屈服すると思ってはならない。民主的な社会は、民意を探らないと決定できない。台湾政府は、民意に反することはできない」と話しています。
蔡英文氏が率いる、与党・民主進歩党(民進党)は台湾独立志向のため、中国は、蔡英文総統の就任後、圧力を掛け続けています。
中国本土から台湾への観光ツアーは減少し、中国政府と蔡英文政権との正式な対話ルートは切断されたままです。カナダで9月27日開幕した、国際民間航空機関(ICAO)総会への台湾の参加を阻止しました。
中国は、蔡英文総統に対し、台湾と中国本土が1992年、「1つの中国原則」に関し口頭で達成したとされる合意「92コンセンサス」の存在を認めることを、対話の条件としています。蔡英文総統は、合意文書がないことなどを理由に、92コンセンサスが存在しないと主張しています。
蔡総統は「いかなる話し合いも、政治的な前提条件を設けるのが中国政府の一貫した考えだ」と語り、このようなやり方が、中台関係の発展を阻害しているとの考えを示しました。