文化大革命の発生から50週年の5月2日、北京市の人民大会堂で、当時の歌曲を歌う「革命歌」ショー行われ、文革の再来を懸念する意見が出ている。海外のニュースサイト、博聞社が伝えた。
ショーでは、中国版AKB48とも言われる女性ユニット「56輪の花」が「大海を航海するにはかじ取りに頼る」、「社会主義はすばらしい」など、故・毛沢東主席を称えるため、文革中に歌われた歌曲の数々を熱唱した。また、ステージのスクリーンには「米国侵略者と走狗を撃ち破れ」などの当時の政治スローガンが掲げられた。
国政助言機関、全国政治協商会議(政協)の馬文瑞・元副主席の娘の馬暁力氏は、中国共産党中央委員会の事務機関、中央弁公庁の栗戦書主任に書簡を送り、ショーの開催は、文革を否定する党規約に違反すると指摘。中央弁公庁も、メディアやイベントを監督する党中央宣伝部と文化部に対して調査を指示した。馬氏によれば中央紀律委員会が調査の準備を整えた。
革命歌ショーは「中国歌劇舞劇院」名で人民大会堂の使用申請が出され、北京市西城区文化委員会が許可した。実際は、中央宣伝部と文化部が主催し、担当官が出席していた。
革命歌ショーは、中央宣伝部などによる習近平国家主席に対する風刺で、習政権が同宣伝部や文化部を掌握していないことが明らかになったとの指摘が出ている。