リベラルな報道姿勢で知られる南方都市報（広東省）の李新記者が滞在先のタイで失跡したことが分かった。李記者の家族は、中国当局に拉致されたとみている。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。
米民間団体「ジャーナリスト保護委員会」によると、李記者は昨年11月、海外のメディアに対し、中国の情報機関から、知識人、非政府組織、人権活動家から情報提供を強要されてきたことを暴露。精神的に耐えられなくなり、中国を離れたなどと述べた。
李記者は昨年10月、中国政府の報道規制に関する公文書を持ち、インドで亡命を申請したが拒否された。インドの米国大使館も、米国入りの観光ビザ発行を拒否したため、今年1月1日にタイに戻った。
米政府高官は「米国は、失跡事件の調査をタイ当局に促した。李氏の家族にも情報提供を求めた」と述べた。
タイでは昨年10月、香港の出版社兼書店「銅鑼湾書店」のオーナー、桂民海氏が滞在先のマンションから失跡。中国当局に拉致されたと見られている。親中国派のタイ軍事政権はまた、中国の反体制派を相次いで国外に追放している。
（参考）http://www.voachinese.com/content/us-china-human-rights-20160126/3164342.html