
マッカラン大使は、カナダが米国の対イラン制裁に追随していないことを理由に、孟副会長は米国への身柄引き渡しを巡る裁判で勝利できると発言。いったん失言と認めたが、25日再び「米国が身柄引き渡しを放棄すれば、カナダにとって素晴らしい」などと述べたため、首相が更迭を決めた。
大使の発言に対し、孟副会長の逮捕事件に介入しないとのカナダ政府の政策に違反し、司法への干渉だとしてカナダ国内で激しい批判が起きた。
マッカラン大使は68歳。カナダの与党自由党のベテラン政治家で国防相、移民相などを歴任後、17年から現職。夫人と3人の娘婿は中国系で、カナダでも著名な親中派と見られている。
米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版によると、大使の発言はカナダ政府の本音との見方もある。かつて中国駐在のカナダ大使を務めたサン・ジャック氏は「発言内容は真実だが、黙っているべきだった。米国が引き渡し要求を放棄すれば、われわれは大変嬉しい」と述べた。
中国政府は、孟副会長の逮捕後、カナダ人の元外交官ら2人を拘束。違法薬物密輸で起訴されたカナダ人に対し、懲役15年の判決を改めて死刑判決を言い渡した。このためカナダと中国の外交関係はかつてない緊張状態にある。
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