英科学誌・ネイチャーによると、中国とシンガポールの研究者がこのほど、雲南省で捕獲したコウモリの肝臓からエボラウイルスを検出した。ヒトを含む哺乳類が感染する恐れがある。中国でかつて重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した際、コウモリが感染源と特定された。香港蘋果日報(電子版)が伝えた。
同誌によると、シンガポール国立大と中国科学院武漢分院の研究チームが雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州モウ(孟の右に力)臘縣で捕獲したコウモリ2匹を解剖。肝臓から新型ウイルスを見つけ「モウ臘ウイルス」と名付けた。
研究チームによると、このウイルスはエボラ出血熱やマールブルグ熱など人畜共通感染症のウイルスと深い関連がある。サル、犬、ヒトなどがこのウイルスに感染する可能性がある。
エボラウイルスは感染すると、出血や臓器の衰弱が起きる恐れがある。アフリカではこれまでに、エボラウイルスを持つコウモリが複数種類見つかっている。