主席任期撤廃の憲法改正案可決、米で「歴史の逆行」の報道も

 2018 年3月12日国家主席第13期全国人民代表大会(全人代=国会)は11日、国家主席の任期撤廃などを盛り込んだ憲法改正案を可決した。3000人の代表(議員)中、反対はわずか2人。棄権は2人、1票は無効だった。米ワシントン・ポスト紙は「歴史の逆行」などと報じた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)などが伝えた。(写真は東網のキャプチャー)

 香港メディアの東網によると、改正案は21項目を修正。国家の正副主席の任期を最長2期とした規定を削除したほか、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を序文に盛り込んだ。また、全公職者の汚職を取り締まる「国家監察委員会」と地方監察委員会の設置を定めた。

 中国憲法の改正は1982年以降、5回目。前回改正が行われた2014年かから14年目。中国の専門家は「憲法改正は国家の長期的な発展に役立つ。ただ、民衆は文化大革命の再来を心配している」と話している。

 RFAによると、米ニューヨーク・タイムズ紙は「習近平氏の終身主席の時代到来」と題して報道。「中国政治における習近平氏の主導的地位と、今後の巨大な変化に向かう意欲をはっきり示した」などと伝えた。

 米AP通信は「今回の憲法改正は逆行で、鄧小平氏がつくった制度を転覆した。中国はジンバブエや北朝鮮と同列の国となった。現代の独裁者は誤りを犯しがちで、経済の停滞や政治の混乱、極端な場合は戦争につながりかねない」と報じた。

 ワシントン・ポスト紙は「歴史上、終身地位にあったのは歴代の皇帝と毛沢東だけ。社会に災難をもたらす結果となり、多くの苦しい教訓を残した」と指摘した。

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