上海で27日未明に死去した李克強前総理の遺体が27日夜、北京に到着した。1週間以内に北京の八宝山公墓で告別式が行われる見通し。中国のSNS（交流サイト）によれば、当局は11月3日まで追悼活動を厳禁。各大学も追悼活動やネット上でのコメントの発表や転送を禁じた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）が28日伝えた。（写真はRFAのサイト）
李前首相の死去後、中国当局は言論統制を強化。検索サイトで「李克強」と入力しても、当局公認の情報しか表示されない。中国当局は、李前首相の追悼を理由とした政治活動を強く警戒しているもようだ。
李前首相の出身地、安徽省合肥市にある旧居（安徽省文史研究館大院）では、多数の民衆が訪問。建物周辺は菊の花束で埋め尽くされた。建物は、李氏が少年時代を過ごした旧居。花束の多くには「改革の道で、後輩があなたの遺志を継ぐ」などの追悼の言葉が添えられていた。
台湾の中央通信社によると、李氏が1998年から約7年、省トップの党委員会書記などを務めた河南省鄭州市では、鄭東新区中央公園に李前首相の巨大な遺影が飾られた。「鄭州人民はあなたを追想します」などと追悼の言葉を叫ぶ市民も複数いたという。
ＳＮＳのＸ（旧ツイッター）では「李老師はあなたの老師（教師）ではない」名のアカウントが、李前首相を追悼するネット民の投稿を収集て掲載した。それによると「貧困民が六億に上るというあなたの発言を忘れない」など、李前首相を追悼する形で、名指しせずに習近平指導部を批判する発言が多数に上った。