国家衛生健康委員会は15日、新型コロナウイルスの治療ガイドラインを改正し、軽症患者の入院を不要としたほか、退院後の隔離を緩和した。中国当局が、新型コロナの治療基準を緩和するのは初めて。専門家によると、医療提供態勢の逼迫(ひっぱく)を避ける狙いがある。台湾の中央通信社などが伝えた。
新ガイドラインによると、新型コロナの変異株「オミクロン株」の感染者は、多くが軽症が無症状で、大多数は治療の必要がない。全員を指定病院に収容すると医療提供態勢の圧迫につながる。
新ガイドラインは、軽症者は集中隔離のみとし、症状が悪化した場合だけ指定病院に移送するとした。また、隔離解除と入院基準などを変更し、退院の検査基準を緩和したほか、退院後の14日間の集中隔離を7日間に短縮した。
一般型、重症、重体の患者は、これまで通り指定病院で治療を行う。特に重症と重体の患者に、なるべく早期に適切な治療を行うことを重視する。
中国メディアの澎湃新聞によると、北京佑安病院の専門医師は「オミクロン株の感染者は、軽症者の割合が高い。全員を病院に収容すると、ベッドが足りなくなり、スタッフの負担が非常に重くなる。新しいプログラムは、負担の軽減につながる」と話している。
◇参考情報
○中国本土のコロナ新規感染者3122人 吉林1412人
○吉林の大学でコロナ集団感染 当局の隠ぺいと失策、学生がSNSで暴露