米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国がチベットで世界最大規模の水力発電所の建設を計画しており、川下の住民数百万人の生活の影響が出る恐れがあるとしてインドとバングラデシュの両国が懸念を強めている。
国有発電所建設会社の中国電力建設集団(北京市)によれば、水力発電所はヤルンツァンポ川下流に建設予定で、発電量は年間3000億キロワット時。現在、世界最大の水力発電所である長江の三峡ダムの3倍となる。
中国国営新華社通信は25日は、この発電所の建設が国家目標である「二酸化炭素排出ピークアウト」と「カーボンニュートラル」の達成に寄与するほか、関連産業の振興やチベットの雇用拡大につながると伝えた。
ロイター通信によると、中国メディアは水力発電所建設で移転を迫られる住民の規模や環境への影響を伝えていない。中国の当局者は、発電所が川下に与える影響は大きくないと話しているが、インドとバングラデシュは生態環境に与える影響や川下の水量が減ることなどに強い懸念を抱いている。
◇出典
https://www.rfa.org/mandarin/huanjing/2024/12/26/kw-china-tibet-dam/