中国やフィリピンが領有権を主張して争う、南シナ海南沙(スプラトリー)諸島のパグアサ島(中業島)付近に、中国の民間船約60隻が集結していることが米衛星情報会社、マクサー・テクノロジーズの衛星写真で分かった。うち1隻は、同島からわずか2カイリ(3.7キロ)の近距離だという。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)がロイター通信の情報として伝えた。
パグアサ島は、南沙諸島で2番目に大きい自然島。台湾海軍が1971年、台風のため撤退した際、フィリピンが占領した。ベトナムと台湾も領有権を主張している。
フィリピン軍パラワン島西部司令部のトレス司令官は「中国の海上民兵の集結はよく見かける。フィリピン政府、米国防総省ともこれらの船が中国海警や中国海軍と協力して、係争海域での存在感を誇示している」と述べた。
衛星写真によれば、集結している船の多くは、中国で漁船として登録されている。中国国防省はロイター通信の問い合わせに回答していない。中国は海上民兵の存在を認めていない。
シンガポール南洋理工大の許瑞麟研究員は「フィリピンで国内政治が緊張する中、中国政府はフィリピン政府の出方を探っているのだろう」と述べた。
フィリピンでは、ドゥテルテ前大統領と、前政権の路線修正を進めるマルコス大統領の間で、一族を書き込んだ対立が深まっている。
◇出典
https://www.dw.com/zh/%E5%A4%A7%E9%87%8F%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%94%A8%E8%88%B9%E5%8F%AA%E5%9C%A8%E4%B8%BB%E6%9D%83%E4%BA%89%E8%AE%AE%E5%B2%9B%E5%B1%BF%E9%99%84%E8%BF%91%E9%9B%86%E7%BB%93/a-70911094