中国人の多くが墓参に訪れる「清明節」(今年は4月4日)を前に、中国各地の政府が、焼いて先祖に贈る「紙銭」など「封建的な迷信」として製造販売を禁じる通達を出し、民衆の不満を呼んでいる。台湾の中央通信社が27日伝えた。
中国メディアによれば、江蘇省南通市政府は26日、企業・個人を問わず紙銭などの製造販売を一切禁止すると通達した。葬祭のあり方を改革し、旧習を捨て去ることを目的として掲げ、「大気汚染防止法」などを法的根拠に挙げた。
南通市は続いて、推薦する墓参の方法を提唱。墓の掃除や献花、植栽の手入れ、寄せ書きなど環境に配慮した墓参によって先祖や故人をしのぶよう呼び掛けた。
南通信の通達は中国のネット上で注目の話題となり、一部から、紙銭などを焼く先祖供養の習俗を「封建的な迷信」として一律に禁じるやり方に強い反発の声が挙がった。
南通市内のマーケット、南方市場で紙銭などを販売する商店主は「通達が実行に移されると、私は失業する。ほかにも失業する人が出る」と話した。さらに「清明節の先祖供養は中国人にとり重要事。一切禁止するやり方は理解できない」と述べた。
南通市のほか遼寧省リョウ(さんずいに稜のつくり)市、黒竜江省嫩江市も公共の場所で紙銭をやくことを禁じる通達を出した。嫩江市は、違反者は警察が取り締まると警告している。
◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202403270336.aspx