ZEEKR、新車と偽り「新古車」販売か

 725年7月26日車中国自動車大手・浙江吉利控股集団傘下の電気自動車(EV)ブランド「ZEEKR(ジーカー)」が、名義変更・保険加入済みの在庫車を新車として販売し、「0キロメートル中古車(新古車)」を用いた不正販売の疑いが浮上している。中国証券報が報じたもので、貴州、重慶、広州をはじめ全国各地で同様の苦情が寄せられており、消費者保護の観点から問題が注目されている。

 「0キロメートル中古車」とは、走行距離がほぼゼロでも、一度登録・保険加入を経て法律上は中古車に分類される車両を指す。報道によれば、ZEEKRの直営店などを通じて販売された車両が、こうした登録済車であるにもかかわらず、新車として案内されていたという。

 貴州の購入者は2025年2月製と説明された車が、実際は2024年製の新古車であったことに気付き、交換を要求。重慶では、新車と言われて契約した車両が法人名義で登録済みだった事例が報告された。広州の購入者は、ZEEKRの公式サイトに酷似した偽サイト経由で決済させられたうえ、納車時に車両が既に保険加入済みだったことを知ったという。

 背景には、ZEEKRが法人や提携先企業を通じ、いったん登録・名義変更した車両を他地域で再販する販売実績の水増しスキームの存在があるとされる。このスキームにより、形式上の所有者を変えた上で新車販売に見せかけ、販売台数を積み増すことが可能になる。自賠責保険への登録台数が業界の販売統計に反映されるため、水増しされた販売実績は、実需を上回る評価を資本市場に与える要因にもなっている。

 実際、2024年12月には、福建省アモイと深センにおけるZEEKRの法人登録車台数が急増。深センでの登録台数は4321台(前月の3.7倍)、厦門では2767台(前月の6.5倍)に上り、それぞれの法人名義比率は86%、90%超に達した。いずれも極端な偏りを示しており、同社による販売実績の操作が疑われている。

 業界ではこうした手法が新興EVメーカーを中心に横行しており、特にナタ(Nezha)汽車(ナ=口へんに那、タ=口へんに託のつくり)汽車では、2023年の法人名義比率が前年比で8%から63%に急増した。個人向け販売が振るわない中、法人登録車による「帳簿上の成長」が行われていた実態が明らかになっている。

 ZEEKRの場合も、販売責任者の交代と米株式市場での非公開化方針が発表された直後に疑惑が持ち上がっており、販売台数の操作が財務報告や企業評価に影響を与えていた可能性がある。販売契約の名義や資金の流れが第三者会社に集中していた点も、法的リスクをはらむ構造となっていた。

 関係者は、こうした手法は消費者の知る権利や公平な取引を侵害する重大な問題であり、再販売時には「三手車」として車両価値の下落を招くなど、実害が大きいと指摘。販売実績を利用した資本評価操作が企業価値や市場信頼を揺るがす構造的リスクとなっており、関係当局による実態解明と制度整備が求められている。

“0公里二手车”炮制虚假繁荣 极氪公司户销量异常疑云难消_中证网
“0公里二手车”炮制虚假繁荣 极氪公司户销量异常疑云难消

タイトルとURLをコピーしました