広東順徳で「チクングニア熱」流行＝478人が感染

　中国メディアの環球網によると、中国南部の広東省仏山市順徳区で、蚊が媒介する急性ウイルス感染症「チクングニア熱」が流行している。順徳区衛生健康局は15日、今月8日に確認された海外感染者をきっかけに感染が広がり、同日までに計478人の感染を確認したと発表した。患者はいずれも軽症だという。

　チクングニア熱は、チクングニアウイルスによる急性感染症で、主な症状は発熱、皮疹、関節痛。特に四肢や脊柱の関節に強い痛みを引き起こすことがある。潜伏期は2〜4日。主にネッタイシマカやヒトスジシマカなどに刺されることで感染が拡大する。呼吸器や接触などを通じて人から人へは直接感染しない。

　順徳区では、感染確認を受けて市や区が連携し、専門部隊を動員して防疫活動を強化している。中国当局は、現在の高温多雨期は蚊の繁殖や活動が盛んで、デング熱やチクングニア熱など蚊媒介感染症が流行しやすい時期だと指摘。住民に対し防蚊意識を高め、溜まった水や不要物を除去して発生源を断つよう呼びかけている。