中国メディアの中国家電網によると、モバイルバッテリーメーカーのロモス(ROMOSS、深セン羅馬仕科技、深セン市)が、製品の問題多発で深刻な経営危機に陥っていることが、関係者の証言で明らかになった。同社の主要幹部5人は問題発覚後に一斉に所在不明となり、現在はマレーシアに滞在中とみられる。法人登記上の代表者変更も頻発している。
同社の製品は発火・爆発のリスクが報告され、今年6月には別のメーカーのアンカー(ANKER)と合わせて236万個を超えるモバイルバッテリーのリコールを行った。
ロモスに対する消費者からの返金申請は計18万件に上るが、処理が追いつかない状況。同社は7月6日未明、7日から6カ月間の工場稼働停止を発表した。同社によれば、製品リコール対応を除く全従業員を休業とし、給与は初月のみ通常支給、2カ月目以降は広東省規定の最低賃金8割に相当する生活手当を支払うとした。
社内では生産停止に伴い、仕入れや在庫管理も停止し、サプライヤーへの支払い遅延も指摘されている。業界関係者は、これら一連の措置は資金繰りの深刻な悪化を意味しており、債務整理や事業売却を余儀なくされる可能性もあるとみている。
経営陣の説明責任も果たされておらず、ブランドイメージは急速に失墜。今後の事業継続は極めて不透明で、再建の道筋すら見えない状況に陥っている。
同社の中堅社員によれば、米中合弁のバッテリーメーカー、安普瑞斯(Amprius、江蘇省無錫市)のバッテリーセルの生産能力に深刻な問題があったと指摘した。この社員は「業界内では以前から、Ampriusの実際の生産能力は受注を満たせないと警告されていた」と述べた。
◇出典
https://news.cheaa.com/2025/0714/647869.shtml
https://www.cna.com.tw/news/acn/202507130164.aspx
◇参考情報